ブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング(Merrily We Roll Along)』~あの頃の僕たち~ が2021年5月~6月上演予定です。主演3人は、平方元基さん、笹本玲奈さん、ウエンツ瑛士さん。
『メリリー・ウィー・ロール・アロング』は1981年ブロードウェイ初演。2013年には宮本亜門氏演出で日本初演。日本初演時はオールキャスト20代でしたが、今回主役3名は30代半ばの同い年です。
記事内の「初演『メリリー・ウィー・ロール・アロング』の失敗」で触れていますが、物語の始まりに近い年齢の役者さんが演じることが、今回はもしかしたら見所の1つになるのかもしれません。
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“逆再生”ミュージカル
上演決定✨
\????ブロードウェイミュージカル
『メリリー・ウィー・ロール・アロング』✅2021年5月上演
✅出演:#平方元基 #ウエンツ瑛士 #笹本玲奈 #昆夏美 #今井清隆 #朝夏まなと #岸祐二 #上口耕平 #渚あき #中別府葵 #宮原浩暢 他
https://t.co/JSRRHRQYGE— ホリプロステージ@てにあまる1/9まで上演中 (@horipro_stage) December 10, 2020
????メリリー・ウィー・ロール・アロングはこんな作品????
- 友人3人をめぐる成功と挫折、友情と決別の話
- 話の軸はフランク(平方元基さん)の人生
- なぜ決別したのか?過去20年を時系列逆さまに辿るストーリー
- (難解と言われるソンドハイムの音楽だが)この作品は軽快で耳なじみの良い曲が多い
- 1981年初演は、ソンドハイムxハロルド・プリンスのゴールデンコンビで成功確実と言われながら16公演で打ち切り
- 2021年ホリプロ上演の当作品はマリア・フリードマン演出によるものでオリビエ賞受賞作品
きねちゃん
基本情報
原作/作曲・作詞/脚本/演出など
原作:ジョージ・S・カウフマンとモス・ハートによる戯曲(1934年ストレートプレイにて初演)
作曲・作詞:スティーブン・ソンドハイム
脚本:ジョージ・ファース
演出:マリア・フリードマン
振付:ティム・ジャクソン
美術・衣裳:スートラ・ギルモア
初演(1981年)演出:ハロルド・プリンス
日本初演(2013年)
日本初演時タイトル:『メリリー・ウィー・ロール・アロング ~それでも僕らは前へ進む~』
演出:宮本亜門
日本初演出演:小池徹平(チャーリー)、柿澤勇人(フランク)、宮澤エマ(メアリー)、ICONIQ(ガッシー:フランクの妻)、高橋愛(ベス:フランクの前妻)、上山竜司、広岡友祐、海宝直人、菊地創、山田宗一郎、上條駿、小此木麻里、関谷春子、皆本麻帆、万里紗、大西統眞/大東リッキー
上演時間
2時間45分~2時間50分(休憩込)
1幕:80分
休憩:15分~20分
2幕:70分
休憩時間は20分(18:30開演の公演日は15分)を予定
公演スケジュール&劇場
公演期間 | 公演会場 |
---|---|
2021年5月17日(月)~5月31日(月) | 新国立劇場 中劇場(東京) アクセス |
2021年6月4日(金)~6月5日(土) | 愛知県芸術劇場大ホール(愛知) アクセス |
2021年6月11日(金)~6月12日(土) | 梅田芸術劇場メインホール(大阪) アクセス |
『メリリー・ウィー・ロール・アロング』あらすじ
ざっくりしたストーリー
1976年ロサンゼルス。
フランク(平方元基)はハリウッドで成功を収めた有名な映画プロデューサー。彼の豪邸では最新映画の成功を祝い華やかなパーティーが催されている。
そこには一人のアルコール依存症の女性メアリー(笹本玲奈)もいた。メアリーはフランクの20年来の友人で元ベストセラー作家の舞台評論家。
パーティーの最中、ピューリッツァー賞受賞の脚本家チャーリー(ウエンツ瑛士)の話題が出ると、メアリーは「私たち3人は昔親友同士だったのよ!」と叫ぶ。メアリーは、フランクがかつて音楽を愛し作曲家になろうとしていたのに、次第に音楽よりも成功する事ばかりとらわれたと批判。
メアリーはパーティーから追い出されてしまうが、彼女の言葉がフランクに突き刺さる。
妻ガッシー(朝夏まなと)とフランクの仲は冷え切り、ガッシーは夫の愛人に攻撃的。
富や名声を手に入れ成功を収めてはいるものの、フランクは大切なものをどこかに捨ててしまったことに気づく。
なぜこうなってしまったのか?どこで間違えたのか?
フランクは過去へと遡っていく。
かつて作曲家として成功を夢見た自分。フランクとチャーリーでショーを作り、メアリーが劇評を書いて宣伝。同じ夢を追っていた親友3人。しかし「音楽」「成功」と方向性にズレが生じ、決裂。
旅から戻りチャーリーとメアリーと確かめ合った友情
前妻ベス(昆 夏美)との出会い
ベスが主演の小さなナイトクラブでのショー
プロデューサー・ジョー(今井清隆)と憧れだった大女優ガッシーとの出会い
ベスとの辛い離婚調停
あの時の選択は正しかったのか?間違っていたのか?
記憶を巻き戻し最後に辿り着いたのは20年前。
チャーリーとメアリーと出会い、決意したあの瞬間。
メリリー・ウィー・ロール・アロングの意味
Merrily We Roll Alongを直訳すると「楽しく一緒に前に進もう」
きねちゃん
登場人物&キャスト
キャスト表
登場人物 | キャスト |
---|---|
フランク・シェパード (作曲家から映画プロデューサーに転じ成功者となる) |
平方元基 |
チャーリー・クリンガス (ブロードウェイ作品を手掛ける脚本家) |
ウエンツ瑛士 |
メアリー・フリン (小説家、演劇評論家) |
笹本玲奈 |
ガッシー・カーネギー (フランクの妻、大女優) |
朝夏まなと |
ベス・スペンサー (フランクの前妻) |
昆 夏美 |
ジョー・ジョーゼフソン (ガッシーの元夫、大物プロデューサー) |
今井清隆 |
テリー(スタジオ経営者)/スペンサー氏(ベスの父親) 他 | 岸祐二 |
タイラー(発明家。留守番電話を発明) 他 | 上口耕平 |
スコッティ(フランクのマネージャー)/スペンサー夫人(ベスの母親) 他 | 渚あき |
メグ(新人女優でフランクの不倫相手) 他 | 中別府葵 |
ジェローム(フランクの顧問弁護士) 他 | 宮原浩暢 (LE VELVETS) |
バンカー(実業家) 他 | 中井智彦 |
ルー(フランクの映画で作家デビュー、元テレビAD) 他 | 井阪郁巳 |
ドリー(ジェロームの妻)/イーヴリン(チャーリーの妻) 他 | 家塚敦子 |
K・T(ジャーナリスト) 他 | 三木麻衣子 |
ウェイトレス/ジュディ(テレビキャスター) 他 | 森 加織 |
ゲスト(パーティー客) 他 | 雅原 慶 |
ゲスト(パーティー客) 他 | 高木裕和 |
フランク Jr.(フランクとベスの息子) | 前田武蔵/荒井天吾 |
フランク・シェパード
かつて名もない作曲家だったが音楽を心から愛し、チャーリーとメアリーの3人で世界を変える作品を作ろうと誓っていた。しかし富と名声を求め、映画プロデューサーに転じ成功を収める。アメリカンドリームを体現した男。
チャーリー・クリンガス
フランクの親友で仕事のパートナーだった作詞家・脚本家。ブロードウェイに留まりコツコツとキャリアを積み上げピューリッツァー賞を受賞。
メアリー・フリン
フランクの20年来の友人。作家でベストセラーを出したのち舞台評論家に。現在はアル中で鳴かず飛ばず。
ガッシー・カーネギー
フランクの妻でスター女優。フランクと出会った時、大物プロデューサー・ジョーの妻だった。
ベス・スペンサー
フランクの前妻。結婚前は清純派女優。フランク達のショーのオーディションで、フランクと恋に落ち結婚。
ジョー・ジョーゼフソン
ブロードウェイの大物プロデュ-サーでのちに落ちぶれる。
メリリー・ウィー・ロール・アロング(逆)時系列
1976年(40歳)
この作品の始まりで物語の結末。
作曲家としてブロードウェイで頭角を現し、今はハリウッド映画プロデューサーに転身して成功を収めたフランク。最新作の成功を祝し彼の家では豪華なパーティーが開かれている。フランクの妻は大女優のガッシーだが、パーティーには新人女優でフランクの不倫相手メグもいる。周囲の称賛の中、20年来の親友メアリーの批判がフランクの心に突き刺さり記憶を巻き戻す。
1973年(37歳)
NBC報道番組のスタジオ。フランクとチャーリーは次に上演するミュージカルのインタビューを受ける。フランクが妻のガッシーに言われるまま映画の仕事にかかりきりで、2人の作品が延期につぐ延期なのがチャーリーには不満。そこへフランクの新しい映画契約を知らされ激怒。メアリーはまた以前のように3人仲良くなりたいと願っている。
1968年(31歳)
セントラル・パークにあるフランクの部屋。クルーズ旅行から帰ってきたばかりのフランクをチャーリーとメアリー、そしてフランクの息子が訪れる。久しぶりに息子と再会できて喜ぶフランク。チャーリーは、フランクから2人のブロードウェイ作品「ブロードウェイの恋人」の映画契約について話を聞き難色を示す。離婚したばかりのフランクはお金が必要で、さらに売れる喜びを感じるようになりフランクは出世を望むようになった。フランクの部屋にガッシーとジョーの夫妻も訪れる。
1967年(30歳)
マンハッタン裁判所。フランクはベスから離婚裁判を起こされる。ベスはまだフランクを愛しているが過ちを犯したフランクを許せない。息子を失ったら生きていけないとフランクは取り乱すがチャーリーやメアリーに慰められ、クルーズ旅行をすすめられる。
1964年(27歳)
アルヴィン劇場。ジョーがプロデューサーを務めガッシーが出演するフランクとチャーリーの初ブロードウェイ作品「ブロードウェイの恋人」の公演初日。2人がずっと作りたかった作品ではないが、ヒット作を知っているジョーのおかげで公演は大成功。夫が成功して妻ベスの喜びも大きい。この後打ち上げパーティーがあるが、ちょうどこの日チャーリーの妻イーヴリンが産気づいておりチャーリーは病院へ向かう。フランクの妻ベスもお産に付き添いたいと劇場を後にする。
1962年(25歳)
サットン・プレイスのガッシーとジョーの邸宅。ガッシーから呼び出されたフランクとチャーリーは自分たちのミュージカルに興味を持ってもらえたと思い、ベスを伴ってパーティーを訪れる。ガッシーはベスのドレスに故意にワインをこぼす。
1960年(23歳)
グリニッジ・ヴィレッジの小さなナイトクラブ。フランク、チャーリー、メアリーが作ったミュージカルの公演が行われている。メアリーは出演せず、ショーに出ているのはフランク、チャーリー、ベス。クラブにはベスの両親、そして大物プロデューサーのジョーとジョーの婚約者ガッシーが訪れていた。公演がジョーの目にとまり彼らの道が拓けていく。
1959(22歳)、1958年(21歳)
ニューヨーク。2人でミュージカルを書くようになったフランクとチャーリーは、プロデューサーであるジョーのオーディションを受け、作品を売り込もうとする。彼らのショーに出演する役者のオーディションにやってきたのがベスだった。
1957年(20歳)
グリニッジ・ヴィレッジの古い安アパート。フランクとチャーリーは同居することになった。フランクには「世界を変えたい」と作りたい作品があった。彼らのアパートにはメアリーも住んでおり、お互いに夢を語り合う。ここから全てが始まる。
「左向け左」と時代背景
劇中何度か出てくる「左向け左」。
詳しく解説されていませんが、「左向け左」は政治色が強い作品と推測できます。
第二次大戦後アメリカと旧ソ連の二大大国の冷戦が始まり、旧ソ連の脅威を感じたアメリカ右派の政治家は、共産主義者及び共産主義者の疑いのあるものを徹底的に粛清します。赤狩りと呼ばれるものです。
1950年~1954年にはマッカーシズムといわれる共和党右派の上院議員マッカーシーを中心とした反共産主義にもとづく社会運動、政治活動が全米で吹き荒れました。
マッカーシズムの追求は映画や演劇業界にも及びます。職を奪われるもの、脅しに屈したものなど、疑心暗鬼になるものなど業界の分断も招きます。チャップリンは共産主義のレッテルを貼られ国外追放になりました。
最近の映画だと「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」(2015年)が有名かもしれません。ハリウッドで人気脚本家だったダルトン・トランボが赤狩りの対象となり、映画界から追放され、政府と映画製作会社の大物たちに立ち向かうという話です。
ちなみにオードリー・ヘプバーン出演の『ローマの休日』の脚本を執筆したのはトランボ。しかし赤狩りにでハリウッドを追われていたため、エンドロールには別の人の名前がクレジットされています。
『メリリー・ウィー・ロール・アロング』の全ての始まり(舞台では最後)が1957年。
3年前の1954年にマッカーシズムが終わります。
時代背景を考えると「左向け左」は、かなり強い政治的な意味合いを持つものでしょう。
劇中「左向け左」の台本が出てきますが、表紙の色は赤です。
ケネディが大統領となり共和党政権から民主党政権を復活させたのが1961年。
前年の1960年、『メリリー~』では小さなナイトクラブでフランクたちが自主公演を行い、ここでケネディー一家を登場させています。
ケネディーは、マッカーシズムの共和党のマッカーシーと懇意な間柄で赤狩りに協力的でした。
この辺を頭に入れておくと、観劇する際ちょっと面白いかもしれません。
赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD(1) (ビッグコミックス)
初演『メリリー・ウィー・ロール・アロング』の失敗
1981年ブロードウェイで初演を迎えたミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』は、成功確実と言われていました。
なにせ作品を手掛けたのがミュージカル界の巨匠2人。当時グラミー賞4回受賞(現在まで8回受賞)、トニー賞5回受賞(現在まで8回受賞)のスティーヴン・ソンドハイム、そして当時トニー賞18回受賞(生涯において21回受賞)のハロルド・プリンス。
この2人が組めば必ずヒットするといわれ、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』も同様に思われていました。
しかしながら、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』は2か月半のプレビュー後、16公演でクローズと失敗に終わります。プレビュー中には主演の交代もありました。
失敗の理由として、
簡素な作品の予定だったが客層にマッチしなかった
時間を遡る話が難しかった
若い役者(16~25歳)が40歳以上を演じるのが難しかった
などが挙げられています。
????簡素な作品の予定だったが客層にマッチしなかった・・・ハロルド・プリンスが描いていたのはハイスクールで上演されるような簡素なミュージカル。観客の混乱を避けるため出演者は役名の入ったTシャツを着て出演したのですが、ブロードウェイでそれなりの料金を払って観劇する客には不満な作りだったようです。
????時間を遡る話が難しかった・・・この作品が「逆再生していく」と頭に入れておけば、予習せずとも理解は難しくなく、むしろ謎解きゲームのように楽しめる作品と私は思っているのですが、時間を遡っていくことを知らずにみると混乱するかもしれません。
????もう1つの失敗理由、若い役者が40歳以上を演じることについてですが、20年の歳月を掛けたストーリーなので、演技の難しさがあったのかもしれないです。
主役3人(フランク、チャーリー、メアリー)はもちろん、フランクに大きく関わるガッシー、ジョー、ベスと全ての役者さんの演技力にかかっている作品なので、若手起用が裏目に出てしまったのかもしれません。
でも成功を手にしたけれど色々なものを失った40代から、希望と可能性に満ちた20代に向かっていくストーリーなので、「若さ」を起用したかった事もよく理解できます。
20歳の若い3人が星空の下で希望に満ちたラストは、以降の幸せとはいえない未来を知っているからこそより切なくなる。
ハロルド・プリンスは、ラストシーンで若者の生き生きとした生命力を表現したいがため、新聞でオーディションを告知しフレッシュな役者を探したそうです。オーディション合格者の中には、舞台未経験の素人も選ばれています。
宮本亜門版の日本初演もキャスト全員20代。やはりこれもクライマックスに若さの希望やエネルギーをもっていきたかったからでしょう。
今回2021年の『メリリー・ウィー・ロール・アロング』は、メインキャスト3名全員が同い年と、ホリプロ公式が宣伝。
平方元基さん、笹本玲奈さん、ウエンツ瑛士さんは3名とも現時点で30代半ばです。
ストーリーの始まりに近い年齢だからこそ時間が遡っていく展開により納得感が増し、大きな見所になりそうです。
また20代の勢いは?なんて心配のない、個人的に信頼しかないキャストさん達です。
繊細で情熱的な素晴らしいお芝居を見せてくれるはずと確信しています!
きねちゃん
尚、今回上演されるのは、ハロルド・プリンス演出、宮本亜門氏演出ではなく、2014年にイギリス最大の演劇賞ローレンス・オリビエ賞を受賞したマリア・フリードマン氏の演出によるものです。マリア・フリードマン氏は、ミュージカル女優として3回オリビエ賞を受賞したスターでもあり、1992年のイギリス公演で主人公の一人メアリーを演じました。
失敗エピソードが、ドキュメンタリー映画『ベスト・ワースト・ストーリー』に
『メリリー・ウィー・ロール・アロング』初演の失敗は語り継がれるようになり、ある意味伝説になります。
この時の失敗エピソードが、オリジナルキャストのインタビューなどを元にしたドキュメンタリー映画『ベスト・ワースト・ストーリー(Best Worst Thing That Ever Could Have Happened)』(2016年)になりました。
監督は初演でチャーリー役を演じたロニー・プライス。
当時16~25歳の若者が、巨匠スティーブン・ソンドハイムとハロルド・プリンスが手掛ける新作ミュージカルのオーディションに合格。どれほど喜び興奮したことか。
しかし待ち受けていたのは、プレビュー中の主役交代、厳しい批評、そしてあっという間のクローズ。
その後メンバーはそれぞれの道を歩みます。障害者支援施設に勤務する者、ウェイトレスの仕事に戻る者、演劇界に戻るも主役の座は戻らず演出家になる者。メンバーの中には名わき役として活躍するジェイソン・アレクサンダーもいますが、多くは演劇の世界から離れます。
ミュージカルから21年。もう一度再結成する話が持ち上がり、チケットは数日で完売。ソンドハイムも駆けつけ幕が上がる・・・
『ベスト・ワースト・ストーリー』は当時のことを振り返るドキュメンタリーなのですが、希望に満ちた若者たちの「その後」は、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』のテーマと深くリンクします。
特にドキュメンタリー映画の終わり方は、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』そのものに思え、最後は涙なしでは見られないです。
Netflixで見られるので、舞台観劇前後(完全ネタバレ避けたい人は観劇後)に。
→https://www.netflix.com/jp/title/80132964
20年かけて『メリリー・ウィー・ロール・アロング』を映画化!
Richard Linklater to direct ‘Merrily We Roll Along’ musical to be filmed over 20-year span https://t.co/WjciJrUZqF pic.twitter.com/ZG5OFRFRL9
— The Hollywood Reporter (@THR) August 29, 2019
2019年、映画『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督が、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』を20年かけて映画化すると報じられました。
主演の3人は、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』、『Glee/グリー』のブレイク・ジェンナー(フランク役)、『レディ・バード』のビーニー・フェルドスタイン(メアリー役)、そしてミュージカル『ブック・オブ・モルモン』、映画『ピッチ・パーフェクト』、ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』で主役を務めトニー賞受賞したベン・プラット(チャーリー役)の予定。
『6才のボクが、大人になるまで。』をリチャード・リンクレイター監督は、2002年の夏から2013年の10月まで12年間かけて断続的に撮影していますが、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』の撮影計画は20年!各場面、全9回の撮影が予定されているそうです。
『カンパニー』の影響を受けた作品の一つがジョナサン・ラーソンの『RENT』と言われていますが、『RENT』の前にジョナサンは、アーティストの挫折や希望を描いた『tick, tick…BOOM!』(チック・チック・ブーン!)を製作しており、こちらにも、ソンドハイムの『カンパニー』、そして『メリリー・ウィー・ロール・アロング』への影響が見られます。
『RENT』ファン、もしくは『tick, tick…BOOM!』を観劇したことがある方は、当作品で共通点が発見できるかと思います。
ミュージカルナンバー
2021年日本公演『メリリー・ウィー・ロール・アロング』曲
ACT1
M1 Overture
M2 Merrily We Roll Along
M3 That Frank
M4 Transition 1
M5 Old Friends-Like it Was
M6 Franklin Shepard, Inc.
M6A Transition 2
M7 Old Friends
M7A Growing Up Part1
M7B Growing Up Part2
M7C Transition 3
M8 Not a Day Goes By
M9 Now You Know
ACT2
M10 Entr’acte
M10A Act2 Opening
M11 It’s a Hit
M11A Transition 4
M12 The Blob Part1
M12AB The Blob Part2
M12C Growing Up Act2
M12D The Blob Part3
M13 Good Thing Going
M13A The Blob Part4
M13B Transition 5
M14 Bobby and Jackie and Jack
M15 Not a Day Goes By Act2
M15A Transition 6
M16 Opening Doors
M16A Transition 7
M17 Our Time Part1
M17A Ourt Time Part2
M17B Ourt Time Part3
曲のリフレインに注目
曲のリフレインが印象的な作品です。
「♪Old Friends」は破綻しかけた友人関係を歌うナンバーとして、また別の場面では友情賛美のナンバーとして歌われます。
「♪Not a Day Goes By 」は、フランクと別れた妻ベスが歌い、時を遡った二幕では、2人のラブソングとして、しかもフランクを密かに想うメアリーの感情も絡めて歌われます。
ブロードウェイ初演時のセットリスト
オリジナルキャストによる収録アルバムを参考にしています。
当作品はソンドハイムによって何度か変更され、ニューキャストによる収録アルバム等もあります。(次の項目参照)
タイトル | 歌 |
---|---|
一幕 Overture |
ー |
The Hills of Tomorrow | カンパニー |
Merrily We Roll Along(1980) | カンパニー |
Rich and Happy | フランク、ゲスト |
Merrily We Roll Along(1979-1975) | カンパニー |
Old Friends | メアリー、チャーリー |
Like It Was | メアリー |
Merrily We Roll Along(1974-1973) | カンパニー |
Franklin Shepard, Inc. | チャーリー |
Old Friends(Reprise) | フランク、チャーリー、メアリー |
Not a Day Goes By | フランク |
Now You Know | メアリー、カンパニー |
ニ幕 It’s a Hit! |
フランク、メアリー、チャーリー、ジョー |
Merrily We Roll Along(1964-1962) | カンパニー |
Good Thing Going | チャーリー、フランク |
Merrily We Roll Along(1961-1960) | カンパニー |
Bobby and Jackie and Jack | チャーリー、ベス、フランク、テッド |
Not a Day Goes By (Reprise) | フランク、メアリー |
Opening Doors | フランク、チャーリー、メアリー、ジョー、ベス |
Our Time | フランク、チャーリー、メアリー、カンパニー |
The Hills of Tomorrow (Reprise) | カンパニー |
CD、ストリーミング等※試聴可能
1981ブロードウェイ・オリジナル・キャスト盤
1981年のオリジナルブロードウェイキャスト。公演打ち切りが決まった後、収録に臨んだアルバムでした。
試聴可能
Merrily We Roll Along: Original Broadway Cast Recording
1994キャスト盤
試聴可能
Merrily We Roll Along: The New Cast Recording (1994 Off-Broadway Revival Cast)
2012キャスト盤
チケット
東京公演
一般発売 3/17(水)11:00
プレミアム会員
《抽選先行》2/20(土)12:00~2/25(木)23:59
《先着先行》3/6(土)9:00~3/15(月)23:59
ホリプロステージ無料会員
《先着先行》3/6(土)10:00~3/15(月)23:59
Yシート(20歳以下限定)
3/18(木)17:00~3/24(水)23:59
U25 (25歳以下限定)
3/25(木)11:00~
※予定枚数に達し次第終了
料金
S席:12,800円、A席:7,500円
Yシート:2,000円(※20歳以下対象・当日引換券・要証明書)
U25:5,000円(※25歳以下対象・当日引換券・要証明書)
(全席指定・税込)
愛知公演
一般発売日 2021年03月27日(土) 10:00
WEB先行 受付期間:2021/3/1(月) 11:00~2021/3/15(月) 11:00
料金
S席 13,000円、A席 10,000円、B席 7,000円
大阪公演
一般発売日 2021/5/8(土)
梅田劇場会員先行
■2021/3/10(水)11:00 ~ 2021/3/12(金)11:00【抽選】
抽選結果発表:2021/3/16(火)
■2021/3/24(水)11:00 ~ 2021/3/26(金)11:00【抽選2次】
抽選結果発表:2021/3/29(月)
料金
S席 13,000円 A席 9,000円 B席 5,000円 (全席指定・税込)