ブロードウェイミュージカル『アリージャンス(Allegiance)~忠誠~』が、2021年日本人キャストで上演されます。
この作品はスタートレックのスールー役でも有名な日系三世俳優のジョージ・タケイさん(George Hosato Takei Altman)の実体験が基に製作されています。ブロードウェイでは、ジョージ・タケイさんが現代の退役軍人のイサム・キムラ、1940年代のおじいさん役を演じました。
「忠誠」とは? 価値観の違いが日系人同士・家族間の分断を招いた話
『アリージャンス』は第二次大戦中のアメリカが舞台の作品。
日本軍のハワイ真珠湾攻撃後、アメリカ西海岸に住むおよそ12万人の日系アメリカ人は、アメリカ政府に敵性外国人とみなされ、内陸部にある収容所へ強制退去させられました。
「日本人を祖先に持つ」と言う理由だけで、日本軍と共謀する恐れがあると恐れられ、長年苦労して築き上げてきた土地や財産を奪われ強制収容所に送られたのです。
鉄条網に囲まれた粗末なバラックでの厳しい暮らしの中でも「GAMAN(我慢)」の精神で、希望を失わず堪えていた日系人たち。
ある日、アメリカ政府からLoyalty Questionnaire(忠誠心調査書)が配られ、アメリカへの忠誠を問われます。
この忠誠審査は、
日本生まれ日本育ちでアメリカへ移住した一世(アメリカ国籍なし)
アメリカ生まれアメリカ育ち、アメリカで教育を受けたニ世(アメリカ国籍あり)
とそれぞれの立場から答えが異なり、日系人同士、そして同じ家族同士でも争いが起こりました。
きねちゃん
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どうぞよろしくお願いいたします?????♀?東京公演は2021年3月12日(金)~3月28日(日)に決定!4月に名古屋、大阪公演を予定しております。
イメージビジュアルとともにHPも情報を更新しましたので、ぜひご覧ください!?? https://t.co/CQsjcZX87k pic.twitter.com/WmrPIjMiFP
— ミュージカル『アリージャンス?忠誠?』 (@AllegianceJapan) August 3, 2020
基本情報
脚本/音楽/演出
脚本:マーク・アサイト、ジェイ・クオ、ロレンゾ・シオン
作詞・作曲:ジェイ・クオ
演出:スタフォード・アリマ
公式HP:http://allegiancemusical.com/
日本公演(ホリプロ):https://horipro-stage.jp/stage/allegiance2021/
上演時間
約2時間40分(休憩含む)
1幕 85分
休憩 20分
2幕 55分
『アリージャンス(Allegiance)~忠誠~』のあらすじ
第二次世界大戦退役軍人のイサム・キムラ(サミー)は、50年疎遠にしていた姉のケイが亡くなった知らせを受ける。
彼がかつて「真珠湾攻撃をした日本人を祖先に持つ」ことを理由に、家族全員が強制収容所へ連れられたことを思い出すことから物語が始まる。
キムラ一家はカリフォルニア州サリナスで農場経営を行っていた。サミーの出産後亡くなってしまった母の代わりに、彼を育ててくれたのは姉のケイ。サミーはケイを慕っていた。
アメリカで苦労しながらも農場を成功させていたキムラ家だが、日本軍の真珠湾攻撃後、日系人であるという理由だけで、強制収容所に収容されてしまう。
アメリカ政府は、日系アメリカ人がアメリカではなく日本軍に忠誠を誓うことを恐れたからである。
キムラ家が所有していた土地は強制的に売却される。その売却額は実際の10分の1ほど。
アメリカで苦労して稼ぎ、築き上げた農地を奪われてしまったキムラ家。
キムラ家だけでなく他の日系人たちも、トイレに衝立すらないプライバシーのない収容所に隔離されてしまう。当然不満も出るが、ケイたちは「GAMAN 我慢」と言い続け周りを励ます。
戦争悪化に伴い、日系人の社会地位向上のため、政府に働きかけていたのが、日系アメリカ人市民同盟のマイク・マサオカ。「日系市民の忠誠心を示すことが急務」と、日系アメリカ人だけで構成される志願部隊の設立をアメリカ政府に提案する。
アメリカ政府は強制収容所にいる日系人の忠誠心を調べようと「忠誠登録」のアンケートを配る。
アンケートは複数項目があったが、日系人を悩ませたものが次の2つ。
27番目:合衆国軍で兵役を果たすか?
28番目:アメリカ合衆国に忠誠を誓い、日本国天皇への忠誠を「破棄」するか?
日系人の中でも日本生まれの一世は、当時アメリカの市民権の取得が許されていなかったため、兵役につこうとは思わなかった。また28番目のアンケートで日本との関係を否定してしまうと、彼らは無国籍状態になる可能性もあった。
そもそも自分たちを投獄した国(アメリカ)の為に戦わなければいけないものなのか?
逆に、アメリカで生まれた二世や三世のようにアメリカ国籍を持つ日系人の中には、アメリカのために戦うべきだと主張するものもいる。アメリカ生まれの彼らの中にはアメリカ政府から忠誠心を問われたことに憤慨するものもいた。
また二世たちの中にも、なぜ自分たちの自由を奪ったアメリカに忠誠を誓わなければいけないのか、抵抗するものも出てくる。
・・・このアンケートは、日系人たち、同じ家族の中でも世代間の分裂を招く。
ケイの恋人フランキーは、徴兵反対の暴動を起こし連邦刑務所へ送られる。
父のタツオは、不当な強制収容に抵抗し、提出を求められた「忠誠書」をノーノーと拒否。そのため、より厳しい強制収容所へ送還されてしまう。
そして息子のサミーは、大切な家族が激しい差別を受けている事実を覆す為に、また自らもアメリカ人であることを証明するため、日系人部隊に参加し最も過酷な戦場へ赴く。
登場人物
ケイコ・キムラ(ケイ)
ケイコ・キムラ。カリフォルニア州サリナスに、父タツオ、おじいさん、弟のサミーと暮らす。アメリカで生まれ育つ日系二世。
幼い頃に母親を亡くし、弟サミーの母代わりになる。
家族とともに移送されたハートマウンテン収容所で、日系二世のフランキー・スズキと出会い、恋仲となる。
イサム・キムラ(サミー)
イサム・キムラ。日系二世。母の代わりに自分を育ててくれた姉のケイを慕っていた。
父タツオとは価値観の違いで度々ぶつかる。
日系アメリカ人も他のアメリカ人も同じである=アメリカへの忠誠を示すことが、家族や日系人を差別から守り自由にすると考える。
家族を守る為に、その家族の反対を押し切り戦地へ向かう。ほぼ日系人で構成された第442連隊戦闘団で勇敢に戦い、戦争のヒーローとしてライフ誌の表紙を飾った。
タツオ・キムラ
サミーとケイの父。日系一世。20代で日本からアメリカへ渡り、カリフォルニア州サリナスでの農場経営で成功をおさめていたが、日本軍による真珠湾攻撃後、日系人という理由だけで、財産を奪われ強制的に土地を売却させられる。
忠誠登録質問票のアメリカへの忠誠を問う2つの質問にノーノーと答えたため、アメリカ政府が不忠誠とした人たちを集めたツールレイク隔離センターへ移送されてしまう。
カイト”おじいちゃん”
ケイとサミーの祖父、タツオの父親。タツオと共にアメリカへ移り住んだ。英語がしゃべれずケイやサミーに助けてもらうことが多い。
フランキー・スズキ
フランク・スズキ。日系二世。日本学校の教師をしていた両親は真珠湾攻撃の翌日逮捕される。キムラ一家とはハートマウンテン収容所で出会い、ケイと恋人になる。
アメリカに忠誠を誓い戦地に赴くことで自由を得られると信じるサミーとは反対にフランキーは、自由を奪い家族を引き離したアメリカへ忠誠を誓うことに抵抗する。
ハナ・キャンベル
アメリカ軍の白人ナース。サミーと恋に落ちる。(当時は異人種間同士の結婚は認められていなかった)
マイク・マサオカ
実在したカリフォルニア生まれの日系二世。日系アメリカ人社会でリーダーであった人物。
「日系市民の忠誠心を示すことが急務」と、日系アメリカ人だけで構成される志願部隊の設立をアメリカ政府に提案。
日系人たちに政府に協力するよう呼びかけた事で、収容所にいた日系人からは非難もされる。
二世部隊生みの親として、また、この部隊がのちにアメリカ軍の歴史において最も活躍したことを称えられる。戦後日系アメリカ人がアメリカ社会へ復帰する事に大きく貢献した人物でもある。
キャスト
日本人キャスト
登場人物 | キャスト |
---|---|
ケイコ・キムラ(ケイ) | 濱田めぐみ |
1940年代のイサム・キムラ(サミー) | 海宝直人 |
フランキー・スズキ | 中河内雅貴 |
ハナ・キャンベル | 小南満佑子 |
カイト”おじいちゃん”/ 現代のイサム・キムラ | 上條恒彦 |
マイク・マサオカ | 今井朋彦 |
タツオ・キムラ | 渡辺徹(名古屋公演:松原剛志)※ |
ディロン局長 | 照井裕隆 |
ヒデオ・タナカ/ベン・マサオカ | 西野誠 |
マサト・マルヤマ | 松原剛志(高木裕和)※ |
ジョニー・ゴトウ | 俵和也 |
ナイト二等兵 | 村井成仁 |
トム・マルヤマ | 大音智海 |
エヴァンス二等兵 | 常川藍里 |
日系三世の女性/ナツミ・タナカ | 河合篤子 |
カオリ・マルヤマ | 彩橋みゆ |
ナン・ゴトウ | 小島亜莉沙 |
ペギー・マルヤマ | 石井亜早実 |
ベッツィ・タナカ | 髙橋莉瑚 |
スウィング/拡声器の声 | 高木裕和※ |
※タツオ・キムラ役の渡辺徹さんは、急性気管支炎のため名古屋公演(4月17日、18日)、大阪公演(4月23日、24日、25日)の出演を見合わせ。同役を松原剛志さんに変更。松原剛志さんが演じていたマサト・マルヤマ役は、 スウィングの高木裕和さんに変更。
ブロードウェイのオリジナルキャスト
サム・キムラ(現代)/おじいさん(1940年代):ジョージ・タケイ
ケイ・キムラ:レア・サロンガ
イサム・キムラ(1940年代):テリー・リヨン
フランキー・スズキ:マイケル・K・リー
など
【豆知識】アリージャンスへの理解が深まるかも?日系アメリカ人の歴史
最初の移民(1869年)
1869年(明治2年)、日本から22人(※人数については諸説あり)の移民団がカリフォルニア州のゴールド・ヒルにやってきます。アメリカ本土の最初の入植者でした。
彼らは戊辰戦争で敗れた会津藩の藩士たち。会津藩は徳川幕府に最後まで忠実で、薩摩藩・長州藩・土佐藩らを中核とした新政府軍に敗れた藩でした。
旧会津藩士たちは、再起を図るためカリフォルニアに移住し、「若松コロニー」を形成します。若松は、福島県会津若松市にちなんで名づけられた名前。しかし2年で若松コロニーは崩壊。その後の消息が分かっているものはわずかでした。
1970年代に製作された宝塚歌劇団の『ゴールド・ヒル』は、 若松コロニーを扱った作品です。
移民協定(1884年)
1884年、日本の明治政府がアメリカ合衆国からの入植者が増えていたハワイ王国と移民協定を結び「官約移民」をハワイに送ります。サトウキビ栽培の労働力を求められていたこと、そして日本では武家制度が廃止され、次男以下の男性が収入を得るのが難しかったこと、徴兵制度から逃げるためだったことなどが理由です。
1890年にアメリカ西海岸カリフォルニア州への集団移民が開始されます。日本人は白人に比べ低賃金でよく働くため重用されました。
日本からの移住者は毎年1000人、2000人と増えていき、1900年にはアメリカ本土の日系移民の数が年間1万人に達します。1900年には日系移民による土地の開墾と入植が始まるようになりました。
移住した初期は、馬小屋のような家、安い賃金と辛いことの連続でしたが、日系人の多くは勤勉に働き続けたそうです。
排日運動
アメリカでは日系移民の人数が増えるにつれトラブルもみられるようになりました。
主にアイルランド系からなる白人労働者は、低賃金で働く日系移民の労働力によって仕事を奪われるという危機感があったこと、そしてドイツのヴィルヘルム2世が唱えた黄禍論(白人国家における黄色人種差別)の影響もありました。
大国ロシアに黄色人種の日本人が勝利した日露戦争終結の1905年以降、日系移民の多いカリフォルニア州では排日運動が強まり、日本人移民に対する襲撃事件が多発します。
翌年1906年にはサンフランシスコで、日本人・韓国人の学童の入学が拒否される「東洋人学童排斥法案」が制定されました。この案は、公立学校在籍中の日系人学童を強制的に中国人学校に移籍させるもの。しかし翌年撤回されます。
1908年、日米間で対米移民制限に関する協約が結ばれ、日本人の渡航を制限。これにより一時的に移民が減少します。
1913年、カリフォルニア州で「外国人土地法」が制定され、これにより帰化不能外国人の土地所有が禁止されます。
帰化不能外国人とはアメリカ市民権を持たない外国人。
つまり日本生まれでアメリカ市民権を取得できない日系一世もあてはまり、農業中心で生活をしていた彼らにとっては死活問題、彼らをひどく苦しめることになります。
さらに1922年には「第二次カリフォルニア州排日法」により、日系一世は、土地の所有だけでなく土地の借用も禁じられました。
一世たちは、アメリカで生まれアメリカの市民権を持つ二世(自分たちの子供)や現地の親日の人々に土地を所有してもらうため働きかけるようになります。
一世に対する帰化権の拒否(1922年)
経済的に貧しい移民が集まって出来たアメリカでは、1790年に帰化法が制定されました。帰化法はアメリカ市民権の取得に関する法律。最初はヨーロッパ系白人に限定され、1973年にはアフリカ生まれ及びその子孫にまで適用されますが、黄色人種には適用されていませんでした。
1922年「日本人には帰化権がない」と最高裁で判決が下され、日系一世は、日本国籍のままアメリカでの生活を余儀なくされました。
一方、アメリカで生まれた二世は、自動的にアメリカ市民権を持つアメリカ人とも認められていました。
しかし1924年までの日本の憲法では、「日本人が父親であればその子供も日本人である」としていたため、日系二世はアメリカと日本の二重国籍でした。
日系二世への教育
アメリカに移住した一世は、肉体労働者が多数を占め、教育レベルは高くはなかったのですが、子供(二世)へ高い教育を施します。
アメリカ社会で認められず苦しんだ一世たちは、自分たちは我慢を重ねても、生まれながらにアメリカ市民権を持つ子世代の二世たちがアメリカ社会で受け入れられるよう、全身全霊打ち込みます。
二世も親の期待に応えるため、大変な努力を払いました。生活の困難や人種差別など社会的な悪条件にもかかわらず、白人を含む他の人種に比べ大学進学率は最高に達し成績も抜群だったようです。
日系アメリカ人市民同盟<JACL>(1929年~現在)
1929年、人種差別や偏見からアジア系アメリカ人の権利を守る為に「日系アメリカ人市民連盟(Japanese American Citizens League、JACL)」が設立されます。
JACLはアメリカ合衆国最古にして、現在、最大のアジア系アメリカ人人権団体です。
設立当初の指導者たちは大学教育を受けた二世たち。親アメリカ派でアメリカと対立するのではなく融和を図る立場をとります。
太平洋戦争後、メンバーのキーパーソンの一人が『アリージャンス』にも出てくるマイク正岡氏。
日系人の強制収容問題を穏便に解決するため、ルーズベルト政権と幾度も交渉を重ねます。
JACLは日系社会とアメリカ政府の仲介的役割をにない、日系人のアメリカ政府に対する忠誠心を証明するため、日系人たちに政府に協力するよう呼びかけました。このことが、当時収容所にいた日系人たちから非難もされることとなります。
尚、JACLのメンバーには、ジョージ・タケイ氏も含まれます。
真珠湾攻撃~強制収容(1941年、1942年)
1941年日本軍がハワイの真珠湾を攻撃し日米開戦。当時アメリカには多くの日本人が移住していましたが、真珠湾攻撃をきっかけに、日系人は「敵性外国人」とみなされます。
この時、FBIが日系の代表者を連行し、逮捕者が多数でました。
アメリカ政府中枢部は、「日系二世の90%、日系一世の75%以上がアメリカに対し完全に忠誠である」と正式報告を受けていましたが、黄色人種に対する人種差別的な感情もあり、日本人を責める世論があふれ、集団排除の声まで高まっていました。
当時、日本と同じく敵国だったドイツ系やイタリア系アメリカ人に対しては大掛かりな強制収容は行われていません。
日系人の中には市民権を得た二世(一世は市民権を持つことを許されていなかった)も数多く、彼らは自分はアメリカ国民と認識していたため、日本人を祖先にもつだけで不当な扱いを受け、戸惑いもありました。
1942年5月3日に、アメリカ西海岸の日系人へ強制退去命令が出、ほとんどの財産と土地を没収。告知から退去までわずか6日しかありませんでした。
忠誠登録(1943年)
収容所内の日系人に対し、アメリカ政府は1943年「忠誠登録」を行います。
アメリカに忠誠心を持っているのは誰なのか、日系人を振り分けるための審査でした。
- NO.27 アメリカの為に戦場で戦うか?
- No.28 アメリカ合衆国に忠誠を誓い、日本国天皇への忠誠を「破棄」するか?
いくつかある審査のうち、日系人に混乱をもたらしたのは上記2つ。
自分たちから土地を奪い収容所にいれておいて、なぜアメリカに忠誠を誓わなければいけないのか?
帰化権を持たずアメリカ国籍のない一世にとって、No.28にYESと答えてしまうと、日本国籍をも失い無国籍になる恐れもありました。
アメリカ生まれの二世はアメリカに忠誠を誓い、日系兵士のみで戦闘団を編成し、戦場へ赴くものもありました。アメリカ兵士として働くことが、捕虜として収容されている家族を救うと考えるものもいたからです。
一方、二世の中にはアメリカの忠誠心を疑われたことに憤りを感じ、怒りから質問にNO.と答えたものもいました。
両者の質問2つとも怒りまたは抗議からNO.NOと答えたものは、合衆国政府より「不忠誠」のレッテルを張られ、より厳しい隔離センターへと変更されました。
日系人部隊の活躍
第二次大戦中、ほぼ日系アメリカ人の志願兵により構成された442部隊(第442連隊戦闘団)が活躍します。
マイク正岡は、「日系市民の忠誠心を示すことが急務」と、日系二世からなる「二世部隊」の設立に尽力を尽くしていました。442部隊の編制に伴い、マイク正岡は、真っ先に志願しています。
彼らは、自分たちがアメリカ人であると証明するため、家族がアメリカで差別を受けている状況を覆すため、そして自分たちが裏切り者ではないとアメリカに忠誠を示すため、もっとも危険な最前線に立ち、戦いに挑みました。
結果、アメリカ軍史上最も多くの勲章を授与された部隊の栄誉に輝き、また全アメリカ軍部隊中、最も損害を受け、アメリカ軍人に比べて生存率が非常に低い部隊でした。
彼らの活躍は、当時アメリカで激しかった日系人への差別や反感を抑えることになります。
日本敗戦、日系人強制収容所から帰還
1945年8月15日戦争終結。10月から翌年にかけ収容所は次々と閉鎖。日系人たちは元の土地、または新たな土地で生活の立て直しをします。
その後
修正移民法が可決により排日移民法の事実上の撤廃。日本生まれの一世にもアメリカ国籍取得の道が開かれる
1956年~1966年 外国人土地法撤廃
1967年 新移民法により日本人を含んだ東洋系移民に対する差別的条項を撤廃
1988年 レーガン大統領が、強制収容に対する謝罪と補償を行うことを決定
2020年 第二次大戦中の日系人強制収容、カリフォルニア州が公式謝罪決議採択へ(参考:CNN.co.jp)
2021年 バイデン大統領が大戦中に米政府が日系人の公民権を剥奪し、約12万人を全米各地の強制収容所に送り込んだことについて「米国史で最も恥ずべき時期の一つだった」と、過去の公式謝罪を改めて確認。(参考:https://www.sankei.com/world/news/210222/wor2102220017-n1.html)
きねちゃん
アメリカの黒歴史ともいえるものですが、ミュージカル『アリージャンス』では、アメリカが悪いというのではなく、
「一人一人が、何に対する”アリージャンス(忠誠)”なのか?」
を掘り下げ、逆境の中、人生に立ち向かっていく人々を描き、観終わった後は明日への一歩を力強く踏み出せるような作品です。
『アリージャンス』の曲・ナンバー一覧
タイトル | 歌 |
---|---|
1幕 Prologue |
ケイ、カンパニー |
Wishes on the Wind 星に願いを |
ケイ、サミー、カンパニー |
Do Not Fight the Storm 嵐とは闘うな |
カンパニー |
Gaman 我慢 |
ケイ、タツオ、カンパニー |
What Makes a Man 男は |
サミー |
I Oughta Go 行かなきゃ |
ハナ、サミー |
The Dust Storm | ビッグバンド |
Get in the Game 団結しよう |
サミー、ケイ、カンパニー |
Should I? これでいいの? |
ハナ、ケイ |
Allegiance アリージャンス~忠誠 |
タツオ、サミー、ケイ、カンパニー |
Ishi Kara Ishi(Stone by Stone) 小さな石で |
おじいさん、ケイ |
With You きみと |
ビッグ・バンド・シンガー、サミー、ハナ |
Paradise パラダイス |
フランキー、カンパニー |
Higher もっと高く |
ケイ |
Our Time Now 今こそ |
サミー、フランキー、ケイ、ハナ、カンパニー |
2幕 Resist 抵抗 |
フランキー、カンパニー |
This Is Not Over 最後じゃない |
ケイ、フランキー |
Higher(Reprise) もっと高く(リプライズ) |
|
Kei Takes Charge 抵抗/我慢(リプライズ) |
|
Stronger Than Before 強くなったわ |
ケイ、ハナ |
With You (reprise) きみと(リプライズ) |
サミー、ハナ |
Nothing In Our Way プロポーズ~邪魔するものはない |
フランキー、ケイ |
Itetsuita(We are Frozen) 凍てついた |
カンパニー |
442Victory Swing 442 ヴィクトリー・スウィング |
パイロット、カンパニー |
Back in Calfornia カリフォルニアに戻って |
|
How Can You Go? 行くのね? |
ケイ、サミー |
What Makes a Man (Reprise) 男は(リプライズ) |
サミー |
Still A Chance 二度目のチャンス |
ケイ、カンパニー |
ストリーミング、CDなど(試聴可能あり!)
Amazon(試聴可能)
試聴可能↓
Allegiance (Original Broadway Cast Recording)
試聴なし↓
Allegiance – A New American Musical
Itunes(試聴可能)
Allegiance (Original Broadway Cast Recording)
ジョージ・タケイさんの自伝
星に向かって―ジョージ・タケイ自叙伝(日本語)
〈敵〉と呼ばれても/They Called Us Enemy
ミュージカル『アリージャンス(Allegiance)~忠誠~』関連動画
ホリプロステージ Horipro Stageより
Broadwaycomより
Broadway Video: ALLEGIANCE, Starring George Takei, Lea Salonga & Telly Leung
Lea Salonga Sings “Higher” from the New Broadway Musical ALLEGIANCE
First Look at “Paradise” from the New Broadway Musical ALLEGIANCE
公演スケジュール
劇場 | 公演期間 |
---|---|
東京国際フォーラム ホールC(東京) | 2021年3月12日(金)~3月28日(日) |
愛知県芸術劇場大ホール(名古屋) | 2021年4月17日(土)~18日(日) |
梅田芸術劇場メインホール(大阪) | 2021年4月23日(金)~25日(日) |
開演時間等詳細→ホリプロステージ
『アリージャンス(Allegiance)』チケット発売予定
東京公演
【ホリプロプレミアム会員先行】
抽選先行:11/27(金)12:00~12/3(木)23:59
先着先行:12/12(土)9:00~12/24(木)23:59
【ホリプロステージ会員先行】
先着先行:12/12(土)10:00~12/24(木)23:59
【一般発売】
12/26(土)
【チケット料金】
S席:13,500円
A席:9,000円
B席:5,500円
(全席指定・税込)
Yシート:2,000円(※20歳以下対象・当日引換券・要証明書)
名古屋公演
一般発売中
~2021/4/15(木) 23:59
【チケット料金】
S席 13,500円(税込)
A席 10,500円(税込)
B席 7,500円(税込)
大阪公演
【一般発売】
2021/3/13(土)
【チケット料金】
S席 13,500円
A席 9,000円
B席 5,500円 (全席指定・税込)
U-25チケット 8,000円(S席 or A席/25歳以下対象・当日指定席引換・税込)