久しぶりにクラシックコンサートへ行ってきました。15年ぶりくらい?
昔は時々行っていたのですが、ミュージカルにはまってからは、お金も時間もミュージカルに割くようになってしまい、クラシックコンサートからは足が遠のいていました。
【演奏】
指揮:浮ケ谷孝夫
ソプラノ:登川直穂子
テノール:田中豊輝
アルト:高山圭子
バリトン:ヴィタリ・ユシュマノフ
東京21世紀管弦楽団「第九」合唱団
【プログラム】
ベートーヴェン
レオノーレ序曲第3番op.72b
交響曲第9番ニ短調「合唱」op.125
【コンサートホール】
東京オペラシティコンサートホール(初台)
感想
長い間、オーケストラだけの演奏をコンサートホールで聞いていなかったせいもあると思うのですが、
音がきれい!
すごく響く!
オペラシティコンサートホールは昔来たことがあって、その時は特に音が綺麗とは気付かずにいたのですが(当時はサントリーホールや東京文化会館などにも足を運んでいました)、
10年以上ミュージカル系の劇場に耳が慣れてしまったからか、音ひとつひとつの美しさにため息が出そうでした。
ミュージカルの劇場も日生劇場は音響が良いように思いますが、シアターオーブとか国際フォーラムとかイマイチな所で行う公演も結構ありますからね...
ミュージカルではオケの音を一つ一つとるのではなく、俳優さんの歌声やオケも旋律をメインに聴いているので、劇場の音響について深く考えてもいなかったのですが、
今回のオペラシティでのコンサートで、重なり合う一音一音を耳で楽しむ、という喜びをすっかり忘れていたことに気付きました。
音がよく響く=客席の音も響くので、物を落したり咳する声も、響いてしまうデメリットもありました。
また、第九はもう少し音圧が欲しいなとは思いましたが、それを大きく上回るオケの音の美しさ。至福のときでした。
指揮は浮ケ谷孝夫さん。
指揮棒をふらず素手で指揮します。
ドイツに留学しカラヤン、ハンガリ-、両国際指揮コンク-ルで受賞、1986年ポメラニアン・フィル(ポ-ランド)のドイツ演奏旅行の指揮者に抜擢。ドイツの楽団との共演が多いようです。
音をレンガ積みのように構築していくようなカッチリ感があり、自分好みの第九の演奏だったかな。
昔、フルトヴェングラー 、カラヤン、バーンスタイン、朝比奈隆らの第九のCDを聴き比べたりしていました。処分してしまったのが今思うともったいない...
自分は、ベートーヴェンやモーツァルトは、枠組みがしっかりし、音が旋律に流され過ぎない演奏が好きだったような気がします。バーンスタインはあまり好まなかった記憶が。
これを機にまた色々聴きたくなっちゃったなぁ。
こだわりすぎちゃうと演奏会が楽しめなくなっちゃうので、ほどほどにだけど。
今回はほんとうに久しぶりという事もあり、演奏そのもの、音そのものを純粋に楽しめました。
やっぱりミュージカルとは違う。
ミュージカルは演じている役柄に共感したり、音楽や振付の格好良さや美しさに感嘆したり。
でもクラシックの場合、音や旋律を楽しむ他、作曲家、今回ならベートーヴェンのことを演奏中に自分の頭に思い浮かべることができると自分にとって良い演奏、と思えます。(あくまで自分のケース)
演奏者や指揮者が「個」を強く出すタイプではなく、演奏する人たちも作曲家のことを考えている、そんな演奏が好きです。なんとなくこれは演奏をみたり聴いていればわかる気がします。
今回の第九で一番驚いたことは、合唱団の皆さんがマスクで歌っていたこと。
ソリスト4名はノーマスクでしたが、その他は全員マスクしたまま第九を歌っていました。
マスクしてしゃべるだけで大変なのに、ステージ上は熱そうで、マスクが湿れば苦しいだろうし、そんな悪条件の中コーラスされていて。でも響きが素晴らしくて。
ちらっと調べると、他の楽団も今年の第九は合唱メンバーを減らしたりマスクを付けて歌ったりと、苦心しながら演奏されているよう。
のびのびと歌える時が早く訪れて欲しいものです。
ティンパニーの音が終始格好よく鳴り響いていたので、見たかったのですが、残念ながら自分の席からは見えませんでした。
バリトンのヴィタリ・ユシュマノフさんは、ロシア料理本を出されているんですねw 2015年から日本を拠点に活躍されているそうです。
久しぶりの第九でクラシックってやっぱりいいな、と気付かせてくれた演奏会でした。
コンサートホールロビーの、假屋崎省吾さんのクリスマスツリー
帰宅後、気付いたのですが一週間前(12/11)にオペラシティのコンサートホールであっきー(中川晃教 さん)のコンサートが開催されていました。天使の歌声を持つあっきーのオペラシティコンサート、こちらも行ってみたかったなぁ....