2回めのマディソン郡の橋...2回観られてよかったー!
1回めは不倫の話ということもあり、観る前から心に壁を作ってしまったけれど、今回は自然とロバートに感情移入しながら観てた。
もう、、、、山口祐一郎さんが最高に良かった。
マディソン郡の橋キャスト一部感想
ロバート:山口祐一郎
このロバートという役を、山口祐一郎さんで観ることが出来て心から良かったと思った。
私にとって山口さんは、歌が異次元の存在で山口さんの歌を聴くために今回のチケットもとった。
でも今回の舞台で印象的なのは、繊細な演技と情熱だった。
フランチェスカに出会った後の、こぼれ出てくる控えめな喜び
そんな自分への戸惑い
フランチェスカに対して抑えきれなくなった想い
この、ロバートの変化を繊細かつ自然に表現されていて、思いっきりロバートに感情移入してしまった。
そして感情にのせた歌も素晴らしかった。
全部、歌い方が違う。
最後のフランチェスカ一緒に行こう~という歌では、ロバートの情熱がほとばしり、時々、声がかすれる部分があったが、声が不調なのではなく、感情が歌を超えたと思った。逆にそれに感動してしまうくらい、こちらも揺さぶられた。
もちろん、この作品の難しい歌を歌いこなせる力があってこそだけれど、なんていうか、情熱、演技、歌と改めて山口祐一郎さんという大ベテランの凄さをみた気がする。
そういえば、観劇が終わり帰る時、クリエで「私が知った30年以上前から今まで、ずっと素敵」と山口さんのことを語っている方がいた。
本当、長い間に渡ってファンに愛されている山口さん。そういえば舞台上で醸し出す、ふわっとした可愛さやほのぼの感は、天性...?
フランチェスカ:涼風真世
マディソン郡の橋は、音楽が難しくて高音から低音までいったりきたりするような曲。涼風さんが危なげなく、美しく歌うのが素晴らしかった。
可愛らしくて、男性がつい好感を抱いてしまうような女性像だ。
ここからは、涼風さんというよりも、脚本に関係するところだと思うが、
ロバートがフランチェスカが大好き、というのは劇中から伝わるけれど、フランチェスカはどうなんだろう、とずっとわからなかった。
家族とご近所さんだけの世界に生きるフランチェスカにとって、外の世界からきたロバートは新鮮。
ロバートは素敵だし、普通にときめいたと思うけれど、ロバートと一緒に過ごした後、
「外の世界を堪能したわ」
と嬉しそうに言うセリフがある。
ロバート一緒にいて楽しいというよりも、いつもと違う非日常が嬉しい、と感じられるのだ。そしてこういう事がちょこちょこある。
フランチェスカにとって、ロバート一緒にいる時間は、夢のようなおままごとの時間。
でもロバートに「一緒に行こう、フランチェスカ」と言われたとき、一気に2人の関係が現実味を帯びてきたように感じる。
舞台を観ていると、二人の熱量に差があって、ピュアな恋愛物語、という印象ではない。
まぁ、実際のカップルだって熱量に差があるのは普通だろうと思う。
ただ、コチラとしては、もう少し2人の関係に納得しながら観たいなとは思った。
もしかしたら、この作品が伝えたかったのは、ロバートとの愛があったからこそ、フランチェスカはその後、幸せに生きたという事を伝えたかったのかもしれない。
ロバートと別れて終わり、ではなくその後、フランチェスカの一生を長く観客にみせているからだ。
そしてわたしは、ロバートと一緒にいた時のフランチェスカの本当の気持はわからなかったが、その後の長い彼女の人生にとって、ロバートの4日間がとても大切だった、ということは感じた。
バド:石川 禅
フランチェスカの夫のバド。
禅さんが演じるバドにより、愛情があるけれど家族のうっとおしさ、抑圧、とフランチェスカの抱える精神的負担がわかりやすかった。
最初は、自分もバドがうっとおしいと思ってみていたけれどw
バドはバドなりに家族を愛しているわけで、個人的にはやっぱりフランチェスカに去らないでもらって良かった。
その他、好奇心旺盛で優しい伊東弘美さん演じる隣人のマージ、マージを優しく諭す、戸井勝海さん演じる旦那さんのチャーリーなど、舞台に出てくる人たちがみんな優しくて良かった。
自分が感じている以上に、深い話だとも思うけれど、今回の観劇は2回で終了。
再演があったら、また足を運びたいと思う。