最近、東宝ミュージカルのチケットが全く取れず、王家の紋章も東宝ナビザーブからは補助席抽選含めて全敗( ノД`)
今回はJCBの東京観光ツアー付きでチケットを取りました。
東京観光はおまけと思いましたが、意外にはとバスでの東京観光は良かったです。
車高が高いので、見慣れた銀座界隈の風景も新鮮。
ランチが、お台場のグランドニッコー東京30Fのスターロードだったのですが、ここのビュッフェが美味しく、食べ過ぎました。
海鮮系とトムヤンクンが特に美味しかった。
デザートも充実。全部食べられなかったのが残念。
さて、たらふく食べて豊洲~築地~皇居周辺から帝劇への王家の紋章へ。
JCBとイープラスの貸し切り公演で、イズミル平方元基さん、キャロル新妻聖子さんの回
全体的な感想は、さすがリーヴァイさんの曲!とても音楽が美しく、幻想的、ロック調、ポップ調と登場人物によって音楽に特徴があり、非常に楽しめました。
衣装が美しく、エジプト、ヒッタイトと違って目でも楽しめる舞台。
さて、私は王家の紋章の漫画を持っているのですが、ミュージカルの舞台は原作にかなり忠実に作られていました。
漫画などオリジナル作品を作るとどうしてもオリジナルファンからの批判が多くなる事が多いと思うのですが、王家の紋章に関しては、古いファンから見てもかなり楽しめるのではないでしょうか?
個人的には、敵役イズミルが原作初期の、クールさと威厳さを兼ね備えている部分が良く出ていて嬉しかったです。
漫画のイズミルは、だんだんキャロルにメロメロになりすぎて、甘くなってしまいますからね。。。今回の舞台で、格好いいイズミルが戻ってきた感があります。
王家の紋章のあらすじなど
王家の紋章、簡単に言えば、現代のアメリカ人キャロルが古代エジプトにタイムスリップする話です。
このキャロルが、現代では同級生や(今回の舞台では話が出てきていませんが)アラブのお金持ち、古代ではメンフィスを始め、周辺諸国の王族から愛され略奪され・・・とやたら愛されるキャラクターです。
普段は冷酷で怖さも見せる男性が一人の女性には優しく夢中、というシチュエーションが多くの女性ファンに支持されている理由だと思います。
男性キャラの強引さも魅力ですが、まぁ実際には強引な人はどこでも強引だから、付き合ったり結婚すると大変...というのはさておき、原作ではメンフィス派とイズミル派がいるくらい、この2人は人気。
メンフィス→直情型。太陽のイメージ
イズミル→冷戦沈着。月のイメージ
たぶん、王家の紋章を読んでいる人たちで話すと「メンフィス派かイズミル派か」という質問が絶対にあると思うのですが、
私はイズミル派(^○^)
この2人から死ぬほど愛されているのがキャロル。
でもカップルとしては、イズミルよりもメンフィスの方がキャロルと合う感じかな?と思います。
イズミルは大人っぽいクールなイメージで、メンフィスの方がやや子供っぽいイメージがあります。
原作でも舞台でもそうですが、キャロルは落ち着きがなく、メンフィスと一緒の方が、これから伴に成長していけるイメージ。
ていうか、イズミルはもっと落ち着いた女性が似合う!
・・・話がそれてしまいましたが、キャロル、メンフィス、イズミルは原作でも舞台でもとても重要な人物です。舞台ではイズミル、1幕の登場はほとんどないですけれどね。
王家の紋章のあらすじに戻ると、現代のエジプトでキャロルが、ファラオ(メンフィス)の墓を暴いてしまい、古代のエジプトへタイムスリップ。
原作では、アイシスの呪いで古代エジプトへ連れていかれるのですが、舞台ではアイシスが連れて行ったという設定ではありませんでした。
ファラオ(メンフィス)に偶然見つかったキャロルは、外見のめずらしさからメンフィスに興味をもたれます。
徐々にキャロルの勇気や知恵に惹かれていくメンフィス。でもメンフィスには幼い頃より結婚相手として姉のアイシスがそばにいて、このアイシスがキャロルへの嫉妬で苦しみます。
当時、エジプトは上エジプトと下エジプトの2つの王朝に分かれ、メンフィスは上エジプトを治め、アイシスは下エジプトの女王です。
エジプトには、隣国ヒッタイトからエジプトの様子を探りにミムタン王女が来ていましたが、ミムタン王女もメンフィスに恋心を抱き、それに気づいたアイシスに殺されます。
ミムタン王女と同時にエジプトに来ていた兄のイズミル王子は、ミムタンの報復でエジプトへの攻撃をしかける為キャロルをとらえます。しかしイズミル自身がキャロルに惹かれていってしまう事に。
この後、キャロルを連れ戻しにきたメンフィス率いるエジプト軍とヒッタイト軍との間で戦闘が起き、キャロルは無事、メンフィスの元へ帰る・・・・という所までが、ミュージカルでのお話しです。
先ほども書きましたが、原作にかなり忠実に作られていてすでにストーリーを知っているものとしては、本当に良く出来た作品だと思います。
ラストのエジプトとヒッタイトの戦いの部分がちょっと長く感じられたので、来年の再演時にはもしかしたら短くなっているかな?という気もしました。
さて、王家の紋章ミュージカル、歌うまーな人がそろって、聴き惚れてしまう事も何度か。
ここからは、印象的だった俳優さんたちを取り上げさせていただきます。
アイシス 濱田めぐみ
歌も演技も見た目も圧巻!まさに誇り高き女王アイシスでした。
アイシスは幼い頃から想い続けてきたメンフィスがキャロルに心を奪われ、とても可哀想なキャラクター。原作では執拗にキャロルに嫌がらせをしているので、どちらかというと苦手なキャラでした(;´∀`)
でも、舞台上の濱田めぐみさんのアイシスは、メンフィスへの気持ちに溢れ、感情移入せざるを得ないキャラに。
作曲したリーヴァイさんが、アイシスのキャラがお好きだったのかな...?美しい耳に残るナンバーが多く、それはそれは素敵でした。
メンフィスへのせつない想いを涙ながら歌った後に、ミヌーエ将軍から突然告白されるシーンがあり、無礼者!という感じではねのけるのですが、どんなに感情的になっても誇り高き女王。
暗殺の多い古代の世界を統治するには、誇りや強さ、時には残忍さも必要だったと思わせるような役柄でした。
アイシスの重々しさを見ると、キャロルのいう正義がむしろ軽く見えるから不思議....価値観が大きく異なる時代で、どちらが良い悪いと判断できるものではなく、ただアイシスは当時の王族に必要な強さを備えていた女王だな、と感じる演技でした。
そういえば、舞台の最初に黒いベール(マント?)に身をつつんだアイシスが出てきて、ふっと観客をタイムスリップさせるようなシーンがあり、とても神秘的でした。
宰相イムホテップ 山口祐一郎
登場回数は少ないのに、圧倒的な存在感を見せてくれた山口祐一郎さん。
山口祐一郎さんが歌うと大げさではなく、劇場が振動し鳴り響く....
壮大なナンバーが山口さんにぴったりで、ご本人も気持ちよさそうでしたが、聴いているこちらも伸びやかでありながら包み込むような山口さんの声にうっとり。
絶対、リーヴァイさんが山口さんの為に書いたナンバーだと思います。
イズミル 平方元基
クールで大人っぽいイズミル、本当にそのまま!すごーく格好いいイズミルでした。
平方元基さん、去年のダンスオブヴァンパイアのアルフレート役で見た時は、汗がとまらず山口さん演じる伯爵に汗を拭いてもらっていたのに、イズミル役では汗一つ見せない、表情変えない所がすごい!
あの汗は今回、どこへいったのでしょうw
イズミルはロックテイストが入った曲で、これも格好よくとても合っていました。
初期の格好いいイズミルに再開できて本当にうれしい
メンフィス 浦井健治
10代のファラオが違和感なく(現在35歳)、メンフィスのまっすぐで太陽のような所がぴったり。
キャロルへの想いはあるのに腕を折ったり、怖がられたり不器用な所が可愛かったです。
絶大な権力を持つファラオに周りのもの全て従うのは当然、歯向かうのは殺して当然、という常識で生きてきたのに人を殺すのは良くない、ファラオだからといってなんでも自分の思い通りになるなんて思わないで、とキャロルに言われ、
全く理解できずに「ファラオに逆らうとは!」「ファラオである自分のいう事聞いておけばいいんだ!」
と自分でもどう説明して良いかわからず、とりあえずファラオであるという立場で押し切っている不器用さもなんだか微笑ましかった。
もう少しメンフィスの強引さが雰囲気で出ると良いかな、という気もするのですが、健ちゃん人柄が良さそうで、あまりイメージがわかない(;´∀`)
そういえば今回、びっくりしたのが剣さばき。動きがスムーズでとても綺麗。
メンフィスのキラキラ衣装とメイクがとてもぴったりで、美しいファラオでした。
キャロル 新妻聖子
キャロルのナンバーはアメリカンポップなものが多かったのですが、それが舞台にメリハリがついてとても良かった。
聖子ちゃんのイメージも原作のキャロルまんま。
もともと歌が抜群に上手な女優さんで、歌に不安は全くなかったのですが、しっかりもののイメージもあったので、お転婆なキャロルがあまり想像できなく。
でも、舞台上での聖子ちゃんは、初々しく落ち着きがなくて、お転婆なキャロルそのもの!
最後のメンフィスとのシーン。伴に成長して素敵なカップルになっていく、という予感を抱かせるようで、とても良かったです。
ルカ 矢田悠祐
今回、初めて矢田悠祐さんを知ったのですが、イケメン。
美男子とも美少女ともとれる顔だちで、イズミル役の平方元基さんと並ぶと、もう美しくて美しくてまぶしかったです。
原作のルカも細くて女性にも見える男性だから役がぴったり。
舞台上での登場回数が多く、これは女性ファンが増えそうなw
ミタムン 愛加あゆ
アイシスに殺されてしまうヒッタイトの王女。原作ではあっという間にいなくなってしまうのですが、ミュージカルでは殺された後も亡霊?となってイズミル登場シーンなどではよく出ていました。
愛加あゆさん、スタイル抜群、動きがしなやかで踊りが美しく、とても素敵でした。
今回、1回しか見られないのが残念ですが、来年も再演があるので、本当に楽しみ。
CDは出ないのかしらー。耳をもうちょっと慣らしておきたいから王家の紋章CD欲しい!
ミュージカルの前にローズルームに
今回のJCBの半日観光には、観劇前にローズルームでミュージカルの話しを聞くという企画もありました。
帝劇地下1階のトイレの隣にある小さい部屋で、初めて入りました。
そこでお話しくださったのは、雑誌「ミュージカル」を編集している山内さん。
お話しは7月・8月号のミュージカルや王家の紋章パンフレットに掲載されている内容に沿ったものでしたが、リーヴァイさんとのエピソードなどを織り交ぜながらの貴重なお話しを聞く事ができました。
山口祐一郎さんの事を、日本のミュージカル界をひっぱってきた第一人者と呼び、またリーヴァイさんも山口さんが大好き、という話にはほっこり。
東京観光、王家の紋章講義、ミュージカル王家の紋章鑑賞、と濃い一日を楽しめました。
1階ロビー奥にたたずむイムホテップ宰相。
ここを通過しないとトイレに行けないので、なんだか審判を受けているような気に。
とても神々しい宰相様でした。