ブロードウェイ来日公演のキンキーブーツ、1回目の観劇からちょうど一週間後、再び東急シアターオーブへ。
前回もパワフルで圧倒されましたが、今回はさらに上回る熱量で、舞台も客席もノリノリ!
お客さんも外人さんがいるからか、ローラが登場したり歌うと「ロォォラァァ」と叫ぶ人もいて楽しかった。(エリザベートでやったら怒られるやつ)
一週間前は下手側の席で、今回は上手側の席だったのですが、上手の方が話をとらえやすくわかりやすかったです。
話の流れを決めるような比較的重要な演技が、真ん中を除けば客席から見て左側で行われている事が多かったような。
もしかしたら2回目の公演を見たせいかもしれないけれど、一緒に行ったきのどんも「今回の席の方が話が見えやすい」と言っていました。
1回目のキンキーブーツはただひたすらローラに圧倒されるばかりでしたが、2回目は少し余裕が出来、他の登場人物にも目を配る余裕が。
中でもチャーリーとローレンは、本当に良かったです。
チャーリーは私たち
父親の死後、靴工場を受け継いだチャーリーは「ザ・普通の人」代表のような人。
靴を作りたいわけでもなく
強い意志を持っているわけでもなく
女装する男性を拒否するわけではないけれど、彼らと堂々と仕事するのは世間体が気になる
チャーリーのような人は、世間的に多数いて、そのまま疑問を抱く事なく生涯を終えていく事が多いと思います。でもチャーリーは倒産寸前の工場を引き継ぐこと、そしてローラと出会う事で、自分自身が変わらざる得なかった。
今までの自分から一皮むけるために、周りも自分もそして大切なローラも傷つけ、キンキーブーツのストーリーを見ていると、「チャーリーそりゃないよ」と思えるのですが、その傷はきっとチャーリーが成長していくのに必要だったのかなと。
チャーリーの歌う「ソウル・オブ・ア・マン 」。ここでチャーリーの魂の叫びが聞こえてくるようで胸熱に。
この後すぐ続く、ローラの「ホールドミー インユアハート」で、(仲たがいしていた)チャーリーの事をお互いとても大切だと歌っているのが、また泣ける...
しんみりきて、最後はノリノリで終わるのがキンキーブーツなんですけれどね!
エンターテイナー:ローレン
そしてキンキーブーツのお笑い担当、ローレン!
ローレンのテーマ?イントロが聞こえてくるだけで、笑ってしまう。
チャーリーと会話しただけで妄想が膨らみ、今までの失敗ばかりの男性遍歴を思って心にブレーキかけようとするも、やっぱりチャーリーが気になる~ というのを、めちゃコミカルに演じています。
エンジェルズは全員男性
ローラが登場すると出てくるとエンジェルズ。
全員、ローラと同様女装が好きな男性(設定上)ですが、実際に男性が演じています。
でも、舞台上では「本当に男性?」と疑問に思えるほど女性に見えます。
パンフレットの写真を見ると男性だなとはわかるのですが、舞台上では皆さん、綺麗で可愛くて。お肌すべすべです。
そしてローラはやっぱり最強
今回も美しく格好良くオーラ出まくりでした。
登場シーンの「ランドオブローラ」、チャーリーが作ったあずき色のブーツにダメ出しする時の「セックスインザヒール」は、ローラの魅力120%味わえるナンバーで爽快!
そういえばローレンのセリフだったかな?
「ローラの挑戦は、他人をありのままに受け入れること」
「挑戦」という言葉がいいなと思いました。
他人をありのままに受け入れる事は大切だけれど、「義務」となると、それができないときに自分を責めてしまって心に無理が生じてしまう。
でも挑戦だと、受け入れられない自分を受け入れながら、少しずつ受け入れられるようになればいいかな、と思えるから、すごく前向きに聞こえます。
キンキーブーツ、女装のローラやエンジェルズに目を奪われがちですが(素敵ですからね)、ストーリーも良く、目も耳もこころも大満足でした。
そういえば、映画版のキンキーブーツは、ローラやチャーリーの心情をもっと深く描いていたと思います。こちらも面白いのでおすすめです。