今年6回目のレミゼでマイ楽でした。あっという間・・・早い
7月11日の感想
7月11日ソワレのキャスト
ジャンバルジャン:吉原光夫
ジャベール:川口竜也
ファンテーヌ:和音美桜
エポニーヌ:唯月ふうか
マリウス:海宝直人
コゼット:小南満佑子
アンジョルラス:上原理生
テナルディエ:駒田 一
マダムテナルディエ:鈴木ほのか
この中で初だったのは、光夫さんバルジャン!
ジャベールと全然違うのね。
ジャベールの時は、背筋ピシッとしてマント姿が素敵でしたが、バルジャンの登場シーンでは身をかがめて、世間から自分の身を守っているよう。
銀の食器を盗んで司祭さまから救われた時、ヤンバルジャンや福井バルジャンよりも、「あ~俺はなんてことをしてしまったんだ・・・」とものすごく内向きに意識がいっているように見えました。
すごく内省的で葛藤感の伝わるバルジャンだったと思います。
私は、光夫さんはバルジャンよりもジャベールの方が好きだと思いましたが(光夫ジャベールが格好いい)、最期の召される場面では、今までにないくらい泣いてしまいました。
バリケードで川口ジャベールが、光夫バルジャンに救われる場面で、ひどく川口ジャベールが怒りをぶつけていたけれど、福井バルジャンの時よりも怒りがすさまじかったように思います。この日だけかな?
あれ?と思ったのが、この後、ジャベールが逃げるシーンで、いつもはジャベールが姿を消した後、バルジャンが鉄砲を撃っていたと記憶しているのだけれど、この日は背を向けたジャベールがいる所で、空に向かって鉄砲を撃っていました。(うーん記憶が)
2017年レミゼを振り返り
舞台全体に関して
私は新演出になって今年が初めてのレミゼですが、舞台のテンポが良くも悪くも早いかなーというのが、第一印象でした。
テンポが良いから、中だるみがなく次々と息をのむシームが繰り返されるので、ずっと夢中でいれられるというのが良い点、
でも、余韻がもっと欲しいのに次の展開へ行ってしまうところもあるので、心が取り残されたように感じる箇所もあります。
違和感があったのが、ファンテーヌの「夢破れて」を歌うシーン。工場を追い出された後、いきなり歌い始めるので、これは6公演ともなじめず、ここをもうちょっとファンテーヌに気持ちが寄り添える流れが欲しいです。
名曲なのに、違和感あったまま聞くから、なんだかもったいなくて。
ただ、冒頭の映像を使った波のシーンは、雰囲気が出てよいと思ったし、作られたバリケードから映像でパリの街並みへとつながるように見える演出も素敵だと思いました。
2017年レミゼキャスト感想まとめ
あくまで個人的な感想です。
(回数は私が観た回数)
ジャンバルジャン
ヤン・ジュンモx2回
福井晶一x3回
吉原光夫x1回
どのバルジャンも泣けました。
個人的に、どのバルジャンが1番良いか?と言われたら、演技に加えて声量もあったヤン・ジュンモバルジャンが好み。
でも、3人ともとても良かったです。
ヤンバルジャン
ヤンバルジャンは温かみがあって、コゼットといるのが嬉しくてたまらない演技が印象的。コゼットこそ我が幸せ、愛するコゼットのために生きぬいたバルジャン。
ヤンバルジャンは元々、いい人だったのだろう、と思えました。19年の牢獄生活が彼を変えてしまったけれど、司祭さまに出会って昔の彼を取り戻し、コゼットを迎えられる準備ができたから、神様がバルジャンとコゼットと巡り合せた、そんな気がします。
舞台ではバルジャンの大変なところしか見せていないけれど、ヤンバルジャンとコゼットの日々の生活は、笑顔と愛情にあふれて楽しかったんだろうなと思えます。
福井バルジャン
福井バルジャンは、もともと聖人ではなかった、という印象でした。
銀の食器を盗んで司祭さまからかばわれた時、福井バルジャンは憮然と、ふてくされた表情をしていた。でもここから彼は自分を恥じ、良い方向へと変わった。
コゼットとの出会いは、福井バルジャンの喜びでもあったけれど、彼女を幸せにしなければいけないという重荷も同時に背負った。
コゼットとの楽しいはずの生活、でも過去は彼を常に追ってくる。逃げなくては、逃げなくては、、、
福井バルジャンは、強くプレッシャーを受けていたバルジャンという印象が強いです。
きっと福井バルジャンには眠れない夜も多かっただろうな、と思えます。
だからマリウスにコゼットを託せたとき、福井バルジャンはさみしさと同時にホッとした。
マリウスに自分の正体を明かした後、バルジャンが去っていくシーンで、福井バルジャンはマリウスの背中を見て2回うなづくシーンがありました。寂しさと安堵が入り混じったような表情で。
それに気づいてからというもの、このシーンが今年のマイベスト泣くシーンになりました。
「このうなづきシーン」ヤンバルジャンはどうだったのか記憶になく、光夫バルジャンは、うなづきナシでした。
光夫バルジャン
光夫バルジャンは、福井バルジャン同様、聖人でもなかった、という印象です。光夫バルジャンはもともと自分に対して懐疑的というか、心の底から自分を信頼していない気がします。これはジャベールの時もちょっと思いました。
強く見えて、実はとても弱いバルジャンだったのではないかな、と。
自分自身にあまり愛情を持てない代わりに、コゼットに全部愛情をかけたように思えました。
光夫バルジャンとコゼットとの生活はどうだったのか?
きっと笑顔で愛情あふれる生活だっただろう。でも、コゼットは光夫バルジャンには絶対聞けない事がある、それについて触れると、いつもは優しいパパが怖い顔になる、、、そんな風景が思い浮かびます。
ジャベール
吉原光夫x2回
岸 祐二x1回
川口竜也x3回
控えめにいっても、どのジャベールも最高でした。
自分の好みはどのジャベールか?と聞かれたら、3人とも!と答えます(笑)
今年のレミゼを観劇して、ジャベールとアンジョルラスのファンクラブがあったら入りたいくらいでした。
光夫ジャベール
光夫ジャベールは、舞台での存在感が大きくて、目が合ったら殺されそう。私の中で岸ジャベールと川口ジャベールは、まっすぐな己の信念がある、というようにくくれるのだけれど、光夫ジャベールはちょっとまた違う。
バルジャンのところでも説明したけれど、自分に対して100%の信頼感がないというか。
「Stars」で、光夫ジャベールは実に誇らしげに歌うのだけれど、自分でコチコチに固めたプライドに頼っているから、それが崩れた時、自殺に向かう・・・という印象です。
光夫ジャベールの姿がとても美しく、実際に一緒にいるのは怖いけれど、遠くからいつまでも眺めていたい光夫ジャベールです。
岸ジャベール
岸ジャベールは、すごい純粋!法を守るという事に疑いがない。光夫ジャベールは法を守る事で自分を律している部分があるけれど、岸ジャベールは法=正義に疑いがないから、バルジャンを逃した自分が信じられなくなって、自殺に向かうという感じでした。
自殺場面での半狂乱ぶりが、激しくて可哀想になるほどです。
川口ジャベール
そして川口ジャベール!今回1番回数が多かったジャベールですが、最も常識的に見えました。
光夫ジャベールや岸ジャベールは言い訳なんて通用しない、問答無用的な部分があるのですが、川口ジャベールは、話したらわかってくれそうな雰囲気があります。
人間的な部分があるから、バルジャンに振り回されてしまうところがあり、セリフにある「バルジャンの世界」に、一番はまり込んでいるように見えました。
かといって弱いジャベールなのではなく、とても強いジャベールです。でもその強さが、バルジャンに救われてしまった時に、ジャベール自身を破壊してしまって、結局、自殺への導いたのかな、と思えました。
3ジャベール、登場シーンはどなたも怖いし、歌もみんな上手!素晴らしかったです。
エポニーヌ
松原凜子x2回
唯月ふうかx4回
昆 夏美x0回
昆 夏美エポが観られなくて残念!
松原エポもふうかエポも歌めちゃ上手で、とても良かったです。
ワンデイモアのシーンでは、2人ともあの大合唱の中で、スコーンとエポニーヌの歌声が響き渡り、鳥肌ものでした。
2人とも笑顔が可愛くて、マリウスの腕の中で息が絶えていくシーンでは、可哀想だけでなくちゃんと最期は好きな人のそばにいられた、という救いも感じられて良かった。
一度、前方の席で観た時、ふうかエポの「心は愛にあふれて」で、涙を流していないのに、目が涙で光っていて、ぐっと来てしまいました。
エポニーヌはマリウスとの組み合わせで、印象が変わるから面白いですね。
小さいふうかエポと海宝マリウスだと、妹と兄っぽい関係
松原エポと内藤マリウスだと、姉と弟のような幼馴染の関係
こんな風に見えました
ファンテーヌ
知念里奈x3回
和音美桜x2回
二宮 愛x1回
ファンテーヌについては、私の好みは完全に和音さんでした。
まず歌が上手。そして一環して、たおやかで儚げなファンテーヌでするっと感情移入が出来ました。
他のお2人に関しては、ファンテーヌのビッグナンバー「夢破れて」で怒りに満ちながら歌う声が綺麗に聴こえてこなくて、やや消化不良。
演出の意向?なのか、演技は良いのですが、夢破れてで怒りながら歌うとなんだか薄倖なファンテーヌのイメージもちょっと自分が持っているものとは違ってどうも苦手です。
あと、これはキャストさんには関係ない話ですが、新演出のレミゼでは、夢破れてが唐突に始まっちゃうのがもったいない。
ファンテーヌに感情移入しないまま歌い始めるので、せっかくの名曲でもやや違和感が残りました。
コゼット
清水彩花x4回
小南満佑子x2回
生田絵梨花x0回
失礼な話だけれど、正直、コゼットは音程を外さなくて可愛らしい人であればいいや、くらいに思っていました。
本当は歌えれば良いけれど、昔観てきたコゼットで歌えないコゼットもいたので。。。。(コゼットは若手俳優の登竜門的だったのかと思っています。)
でも、今年のコゼット、特に清水コゼットは本当に最高....!
歌も抜群に上手だし、くるくると動く目の表情が愛らしくて、バルジャンからたーーっぷり愛情もらって育ってきたというのがわかるコゼットなんです。
だから、舞台に現れていないバルジャンとコゼットの生活ってどうだったんだろうか?
って今まで、想像すらしていなかったことを、私も考えるようになりました。
バルジャンが命をかけて愛したコゼット、魂の救いでもあったコゼット像というのを一観客の私にはっきり伝えてくれたのが清水コゼットでした。
本当にラッキーなことに、2017年のレミゼ6回観劇のうち4回清水コゼットを観ることができたんですよね。
残念ながら2019年のレミゼには参加しないようですが、私にとって重要でなかったコゼットを、ここまで大切な登場人物に思わせてくれた清水コゼットには、個人的に大感謝。
そして、小南コゼットも愛らしくて、歌も上手。全体的に暗いレミゼが、コゼットがいるだけでぱっと明るくなる。
2人ともそんなコゼットでした。
マリウス
海宝直人x4回
田村良太x1回
内藤大希x1回
コゼット同様、私にとってマリウスはそこまで重要な役ではなく、ただ海宝さんが演じるから海宝さんを多めにチケットとりました。
でも、今年のマリウスは全員とてもいい!
マリウスに感情移入したのは今年が初めて。
コゼット同様、マリウスがいると舞台が明るくなる!清涼感がある。
今まではエポニーヌが可愛そうで、どうしてもマリウスが好きになれなかったのですが、今回のマリウスは、バルジャンから託されたコゼットと明るい道を歩んでいく、という想像ができてとても好きです。
海宝マリウスは、いい所の坊ちゃん風の好青年で、リーダーでオス的なアンジョルラスとの対比がくっきり(特に上原アンジョとだと濃く)出ていました。
正統派美青年どーんという感じ。
そして海宝マリウスは歌声が美しく、声まで好青年!バズーカのように声を出しているわけではないのに、声が綺麗に目立つんですよね。上原アンジョの野太い声とよくあっていて、存在感のあるマリウスでした。
海宝マリウス中心にとったチケットだったけれど、
田村マリウスも内藤マリウスもとても良かったです。
田村マリウスは、コゼットと出会った時に両手ジャンプ!全力で恋に落ちた初々しさが魅力で、歌も良かった。
内藤マリウスは、面白かったw コゼットと出会って舞い上がりすぎて、エポニーヌの手をとりくるくる回った後、松原エポがすてんと、しりもちついちゃったのに、自分はくるくる回ったまま、バルジャンとコゼットのおうちの方に行ってしまいました。
一番落ち着きのなかった、マリウスで、大丈夫かwとツッコミをいれたくなるポイントがところどころ。歌もかなり上手で、歌声が美しかったです。
アンジョルラス
上原理生x3回
相葉裕樹x1回
上山竜治x2回
アンジョルラスは上原さんメインでチケットをとりましたが、こちらも全員とても素晴らしいアンジョルラスでした!
上原アンジョはさすがで、もうこれぞリーダー!
歌のうまさ、太く力強い声、眼力の強さ、リーダー、カリスマ性、本当に言うことなし!ワンデイモアの先頭が一番似合う男だと思います。
立ち姿、バリケードで最期を迎えるシーンなどいちいち格好が決まっていて、こんなにアンジョルラスに惹かれたの初めてでした。なんて格好いいんだろう、はーーー
で、上原アンジョを見ると、これぞ革命リーダー!と思うのだけれど、相葉アンジョも上山アンジョも良かった。
相葉アンジョは、声がよく通って声量もあり、イケメン爽やかリーダー。今年が初めてのキャスティングとの事ですが、すでに完成されたリーダーオーラが出てとても良かった。
上山アンジョは、優しい長男的なリーダー。最初は、ややおとなしめかなと思って、それも良いと感じたのですが、2回目に観た時は、上原アンジョを彷彿させる力強いリーダーになっていて、舞台にいる短期間でどんどん熱い革命家になっていったのかな?と思うと、こちらも胸熱!
どのアンジョルラスを観ても絶対、後悔しないはず。全員魅力的なアンジョルラスでした。
テナルディエ
駒田 一x3回
KENTAROx1回
橋本じゅんx2回
テナルディエも皆さん、テンポよくて楽しかった~
じゅんテナはお調子者テナ、駒田テナは腹にいちもつを抱えてお調子者をしているテナ、と印象が違い、とても楽しめました。
マダム・テナルディエ
森公美子x2回
谷口ゆうなx1回
鈴木ほのかx3回
森くみさんはさすがのマダムテナ。ど迫力でコミカル、谷口マダムテナもいい感じの鬼ババアっぷりで声が良く通りとても良かったのですが、ケガで休演、残念!早くよくなりますように。
鈴木ほのかマダムテナは他のお二人ほどふくよかではないので、最初、いじわるに見えたのですが、だんだんコミカルさが出てきて、面白かった。鈴木ほのかさん、コゼット→ファンテーヌ→マダムテナルディエと、すごい進化!
今まで、私にとってレミゼは音楽は好きだけれど、そこまでストーリーや登場人物にはまる、という感じではなかったのに、今年は100%全て心から楽しめました。
その理由は、ヒュージャックマンがバルジャン役で出ていた映画で、ストーリーや登場人物の表情をじっくり追えたことがまず、大きいと思います。舞台だと、なかなか全員の表情まで見えないし、わからない部分も多かったから。
- 2013-11-26
で、あとは自分が年をとって、人生思い通りにいくものではない、でもできるところで頑張っていきていくしかない、というのを徐々にわかってきたこと、
そして、演じられた方たち皆さんのパワーがとても強かったことかな、と思います。
感動をありがとう!2017年レミゼ!
また観劇できる日を楽しみに。