ジャジャーンジャーンジャジャーン!
とレミゼへ行ってきました。
日本初演30周年となる2017年。想像をはるかに超えた熱い舞台でした。
レミゼは何度も再演を繰り返している舞台ですが、ここ数年、レミゼの舞台を観ていなくて何年ぶりか思いだせないくらい。
今日のレミゼを見終わった時の満足感は、去年のエリザベート初日と似ていて、「開幕したばかりなのに、千秋楽のような完成度」といったもの。
どのキャストさんも最高で、熱い舞台でした。
全員、演技には見えないほど自然で、舞台で役に生きていました。
キャスト感想
ジャンバルジャン:ヤン・ジュンモ
冒頭、囚人のシーンでのバルジャンはかなり激しく、「怒れるバルジャン」でした。心を抑える事が出来ず、マグマのようにふつふつと熱いバルジャン。
この調子で最後までいくのかと思ったら、改心後のバルジャンは優しくてあたたくて。
囚人では大男だったのに、老いていくのにつれてだんだん、身体が小さくなっていくなり、さらにカテコで身長が戻った時はこんなに大きかったっけ!と驚いてしまいました。
慈愛溢れるバルジャンで演技力もすごいし、歌もすごい。
凄まじい声量で歌ったかと思えば、「彼を帰して」では天国に届きそうなやさしい声でした。
日本語がほんの少し、スムーズじゃない部分があったけれど、そんなもの全く気にならず、コゼットのために生き、でもコゼットの幸せには自分は不要だから消える・・・と本当の父親以上にコゼットのために生き切ったバルジャンというのが伝わってきました。
最期、かけつけたコゼットと触れてニコニコしているバルジャンに涙しましたが、幸せな最期を迎えられてよかった。
ジャベール:吉原光夫
最高のジャベール!
舞台にいるだけで、緊張感が走り、ジャベールが舞台にいる時はひたすらジャベールを目で追っていました。
光夫さんみたいな警察いたら、自分悪い事していなくても怖いだろうなぁ。。。。
威圧感があるんだけれど、自分自身(ジャベール)に意識が向かっているというか、自分を許していないから周りにも厳しいというか。
バルジャンとの出会いで自分のアイデンティティが崩れて最期自殺へと向かうのだけれど、生きづらかったジャベール自身が自由になれた救いの瞬間にも見えました。
光夫さんジャベール、何度でも観たいと帰宅してから慌ててチケットを確認しました。あと2回光夫さんジャベール見られる! (2回ではなく1回でした。)
ファンテーヌ:知念里奈
知念さんは、もともとファンテーヌのイメージがあり違和感はないのですが、「夢破れて」の歌い方が、今回、あまり好みではありませんでした。
ロンドンキャストの25周年記念コンサートに出てくるファンテーヌに歌い方に近かったと思います。(この25周年DVDでファンテーヌを歌っているのはロンドン10周年記念コンサートでエポニーヌを演じたレア・サロンガさん)
私は「夢破れて」で、過去をはかなげに歌うのが好みですが、今回の知念さん、また25周年コンサートのサロンガさんは怒りに任せて力強く歌っている感じです。
知念ファンテーヌ、コゼットの名前を呼びながら死ぬシーンやラストのバルジャン最期のシーンでは、透き通った静かな声で美しく歌っていたから、「夢破れて」でそういう歌い方じゃなかったのは、演出なのかなぁ。
幕間では「知念さん、声出ていて素晴らしかった」という会話がロビーで聞こえたので、好みの問題ですね。
エポニーヌ:松原凜子
無理して作り笑いしながら歌い始めるオンマイオウンに、涙が出てきてしまいました。
今回、エポニーヌだけじゃなく本当、皆さんのレベルが高くて、歌で精一杯になっちゃう、というキャストさんがいなくて、歌も演技も最高で、ほんと満足度高い。
マリウス:海宝直人
自分的にマリウスってそんなに印象に残る役ではなく、マリウスで観劇する日を選ぶというのはなかったのですが、海宝マリウス目立つ目立つ!
歌が抜群に上手というのもあると思うし、暗い舞台に、コゼットに恋した―!と明るいオーラ満開ではしゃいでいるからかなー。
品行方正なマリウスにぴったりに見え、ノートルダムのカジモド演じていた人物とは思えない。(海宝さんカジモドは未見ですが)
コゼット:清水彩花
清水彩花さん、めちゃ声が綺麗で歌が上手!
今まで見た中で一番のコゼットだと思う。
コゼットも自分にとって重要度が低かったのですが、コゼットが上手だと、バルジャンがより幸せに見えるし、マリウスとエポニーヌとコゼットのコーラスが美しいし、こんなに舞台が違うんだ、と思わせてくれました。
アンジョルラス:相葉裕樹
イケメンアンジョルラスでした。今回、初めてキャスティングされたみたいですが、すごく上手。
声の通りが良いし聞きやすく、アンジョルラスとしてのカリスマもあったと思う。
マリウスが海宝さんだし、声量の点で弱くはないだろうか?と相葉さんの事、よく知りもせず勝手に思っていましたが、とんでもない。舞台中央にたつ、相葉アンジョルラス最高でした。
テナルディエ:KENTARO
すごく好みのテナルディエ!
テンポ・動きがよくて、すっと入っていけちゃう。リズム感が最高!
マダムテナルディエ:森公美子
安定の森くみさん。面白いし、歌うまいし、最高のテナルディエ妻だと思います。
司祭:増原英也
今回、とても心に残った司祭でした。
バルジャンが改心するシーンって司祭の慈愛によるものというイメージだったのですが、今日の司祭は慈愛というよりもバルジャンに強い希望の光、道筋を示してくれたように感じました。
たぶん声が低く強いからかな。とても良かった。
今回からなのか、以前もなのかわからないのですが、映像を使ったシーンがところどころにあり、迫力を感じられ良かったと思いました。(特に冒頭)
13:00開演で、休憩挟み16:00終わりだったので、かなり駆け足感があり、もうちょっと余韻が欲しい所もありますが、ラストに向けての盛り上がりが凄かったので、これもありなのかな。
ラストで命を落とした人たちが歌う、民衆の歌のシーン。みんな満ち足りた笑顔だったのが、とても良くて感無量。
あー、レミゼって舞台は暗いし話も明るい話じゃないけれど、前向きになれるから最高!
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