2回めのレディベス!
今回は泣きました。ベス役の平野綾さんにじんわり来ちゃった。
全体の感想
今回、前から3列目の席でキャストの皆さんの表情がよくわかりました。
それが理由かと思うのですが、前回さらっとした印象で終わったこの作品、
実はレディベスの心情を丁寧につづった感動ストーリーだったのね...と思いました。
帝劇は大きいので、後ろの方だとオペラグラス使わないと皆さんの表情が見えないから、個々のキャラクターを把握していないと、どうしても印象が薄くなってしまう(汗
綺麗で素敵な曲が多いですが、すごくインパクトのある曲というのでもないので、もしかしたら今日も後方席だったら感動は薄かったかも。
ちょうどDVD発売が発表になったので、再再演になったらDVDでじっくり観てからの方が楽しめる舞台なのかもしれません。
2017年10月25日マチネキャスト
レディ・ベス:平野 綾
ロビン・ブレイク:山崎育三郎
メアリー・チューダー:未来優希
フェリペ(2世):平方元基
アン・ブーリン:和音美桜
シモン・ルナール:吉野圭吾
ガーディナー:石川禅
キャット・アシュリー:涼風真世
ロジャー・アスカム:山口祐一郎
メアリー役の未来優希さんを除き、Wキャストの皆さんが前回とは異なりました。
今回のキャストの感想
主に前回と異なるキャストさんの感想。
レディ・ベス:平野 綾
すごく大好きなレディベスでした。
芯が通っていて女王になる覚悟のあるベス。凛としているのに、笑顔になると柔和でギャップがまた素敵。
面白いな~と思ったのが、
花總さんのベスも平野さんのベスも生まれながらの王族...という雰囲気はあるのに、次のような違いを感じました。
花總さん→王女なのが当然すぎて、最初は女王になるという覚悟が薄い(薄いというより、覚悟が必要のないほど当たり前の感覚)。徐々に強くあらねばと自覚していく。
平野さん→最初から、王位継承者の覚悟をちらちらのぞかせている
花總さんベスとロビンが出会ったとき、異次元の世界に住む王女と吟遊詩人がばったりあってしまった、という感じだったのに、
平野さんベスとロビンが出会ったときは、異次元の差とまでは感じず、身分の違いこそあれ、すぐにお互い理解できそうな雰囲気でした。
花總さんがもともと持っていらっしゃる王女のような個性がそうさせているのかもしれませんがw
ともかく、平野さんベスは少女時代から王位継承者としての覚悟があり、地に足のついた誇り高い女性でした。
前回、レディベスを観た時は、ベスとロビンが出会う場面はわりと丁寧に描かれているのに、恋に落ちてから最後別れの場面までは、ぱぱっとあっけないように感じたのですが、今回は平野さんの表情が良く見えたせいか、ベスの葛藤と覚悟がものすごく伝わりました。
ロビンとの最後の会話で、「自由な世界へ行く勇気を持て」と言われたのに対し「義務を全うする方が勇気が必要」といって別れを告げる場面、
そこからロビンを振り返らず、女王へと歩みだす場面では思わず涙が。。。
その覚悟があったからこそ、ラストの戴冠式での笑顔がまぶしくて素晴らしい女王でした。
ロビン・ブレイク:山崎育三郎
いくさぶさん、軽やかでロビン役ぴったり!
前回、加藤ロビンで観た時、変だと思った好々爺みたいな帽子も、いくさぶさんだと大丈夫かも。
似合っていない加藤ロビンも可愛いですがw
いくさぶさんと平野さんのサイズ感がちょうどよいのか、ベスロビンのカップルも自然でとても良かったです。
あと、いくさぶさんは声に艶があるから、合唱の中でも目立ち良く聴こえて素敵ですね。
メアリー・チューダー:未来優希
未来さんは前回に引き続きですが、私はやっぱりメアリーが好き。
実の母親が、父に愛人ができたことで捨てられたら、そりゃその子供であるベスを憎むよね。
憎しみ全開!な感じなのに、フェリペ2世にドギマギしちゃうところが可愛くてかわいくて。
「ブスで年増」なんて言われちゃう役ですが、この作品で一番インパクトのある役だと思います。
フェリペ(2世):平方元基
前回も思いましたが、フェリペ発登場シーンの上半身はだけているのは必要でしょうか(笑)
軽やかで華やかな王子様で、さらに平方さんはイズミル王子の経験があるからか、ちょいちょい見せる威厳も素敵でした。
そういえば、スペインの人たち、平方さんもシモン・ルナールの吉野圭吾も肌が浅黒くなっていました。前回は気づかなかった。
アン・ブーリン:和音美桜
和音さんはWキャストじゃないけれど、今回印象に残ったこと...
ベスの平野さんとメアリーの未来さんが、直線的な声だから、和音さんの柔らかい声が入ると、ものすごくバランスがよくなるように感じました。
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○ ○ ○
こういイメージ。
キャストさんの声のバランスって大切なんでしょうね~。
柔らかい諭すような和音さんの声を聴きながら、ミュージカルのモーツァルトに出てくるヴァルトシュテッテン男爵夫人の星から降る金を、いつか和音さんで聴いてみたいと思いました。
ロジャー・アスカム:山口祐一郎
山口祐一郎さんの歌声は、空間そのものというか声の粒子が降ってきて、その場にいるだけで心地よくなる時があるのですが、今日がまさにそれでした。
このタイミングに合うと、山口さんの歌を聴きに行くだけでも価値があると私は思っているので、ひさすら至福でした...
レディベスは好きだけれど、どこか間延びした感じがあるかな
今日は泣けたし良かったけれど、作品全体で、どこか多すぎるのか、または足りないのか、ピシッと全てのピースがはまっていないような気もしました。
メアリーはともかく、ガーディナーやスペイン大使のシモン・ルナールはベスを仇にしているわけですが、
ガーディーナーはカトリックの大司教、
シモンルナールはカトリックに熱心なスペインから来ている
だからプロテスタントのベスを仇にするのは当然...
なんだけれど、「レディ・ベス」の物語上は、なぜ2人があんなにベスを襲撃しようとするのか、わかりづらいかも。
ヨーロッパの人は当たり前に受け入れられる事実かもしれませんが、あまり詳しくない日本人目線だと、プロテスタントとカトリックで激しい争いが繰り返されていた、というエピソードが、どこかに入った方が、なんかわかりやすいかなぁ...
あと、初演と比べてフェリペの登場回数が減ったようですが、物語上でベスの生命を左右できる重要人物だから、もっとシーンがあった方がいい気が。
最後に、メアリーが「自分が嫌われている」と告げてベスと和解するシーンも、突然そこで可哀想な風に持っていくのではなく、もっと前からメアリーの内面が見えると、深くなるような気もしました。
まぁ、外からあれこれ言うのは簡単ですがw
DVD発売されるけれど、どうしようかな~
ベスの表情をずっと追っていくととても楽しめそうだから購入するかな。
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