シアタークリエにマディソン郡の橋を観に行ってきた。
久しぶりのクリエ周辺は、日比谷ヒルズ開業間近で雰囲気が変わった!
と言いたいところだけど、嵐のような日で、周囲を気にしている余裕ゼロ。
しかし、日比谷駅からクリエが直結になっていてとても便利になってて嬉しい♪
2018年マディソン郡の橋キャスト
ロバート:山口祐一郎
フランチェスカ:涼風真世
マリアン:彩乃かなみ
マイケル:石川新太
キャロライン:島田 彩
others:加賀谷一肇※
チャーリー:戸井勝海
マージ:伊東弘美
バド:石川 禅
※加賀谷さんの表記が公式サイトでothersとなっていたが、ロバートの影役などいろいろな役を演じているという意味(だと思う)。かなり存在感があった!さらにこの作品の振り付けの担当もされている。
マディソン郡の橋のあらすじ
アメリカのアイオワ州マディソン郡で夫と二人の子供と暮らす中年女性フランチェスカと、写真家ロバートのひとときの不倫の恋の話。
イタリア出身のフランチェスカは、一見、家族やご近所さんたちとうまく暮らしているように見えながら、倦怠感や孤独感をかかえている。
そんな時、とある橋を写真に撮るためマディソン郡にやってきた魅力的なロバート。
お互い惹かれあい、ロバ―トはフランチェスカと一緒に行こうと誘うが、フランチェスかは家族を捨てられない。
別れた後、お互いをずっと思い続けていた、という話。
理解はできるけれど共感が難しいマディソン郡の橋のストーリー
原作は1992年のベストセラー小説で、1995年にクリント・イーストウッドとメリル・ストリープ主演で映画版が公開されたので、観た人も多いのではないかと思う。
マディソン郡の橋のストーリーは、映画版にしてもミュージカル版にしても、自分にとっては理解はできるけれど共感は難しい。。。というもの。
といっても、20代の頃観た映画版「マディソン郡の橋」は、お互い愛し合いながら別れるロバートとフランチェスカに深く同情して、映画を見ながらボロボロ泣いた記憶がある。
結ばれなかった後も、お互いを思い続けるなんて、すごく純粋な愛の形に思えた。
でも、年をとり現実的になってくると、あれはないなーwと思えてくる。
フランチェスカが大切な家族がいる身で、ロバートとそんな深く愛し合う状態にまで持っていく、という事に共感が難しい(しつこいけれど理解はできる)
別れたあとずっとお互いが想いあっている、というのも結ばれなかったからで、結ばれていたらこんな純粋な愛の形になっていなかったんじゃないか、
子供や夫を捨てたフランチェスカはロバートと一緒にいて、幸せに暮らせるとは思えない。。。
まぁ、ここまで考えるのは無粋なのかもw
などとごちゃごちゃ考えながら、幕が開いた途端、
涼風フランチェスカ、かわいすぎ~!これは惚れる
山口ロバート、イケメンすぎ!!これはロバートにいくでしょ!
・・・な~んて思ったから、これが恋の力ってやつかもしれない///
結局、フランチェスカがロバートに惹かれちゃうのって、フランチェスカだけの問題でもなくて、石川禅さん演じるバドがうっとおしかったり、幼稚だったり、子供に威圧的だったりするのも理由なのかもしれない。
フランチェスカの心が変わってもやむを得ない、と思わせる禅さんの演技がすごく良かったと思う。
途中まで、「あーーこんな旦那さんだったら、ロバートに惹かれちゃう...仕方ないかも...」と、私でも思えたから。特にバドがひどい事したわけでもないのに。
旅先から何度もフランチェスカに電話をかけるバドもうっとおしい、と思って観ていたけれど「家で一人でいるのが心配で」とバドが言ったセリフで、バドと一緒に築いてきた時間や子供たちを捨てられないよね、と思った。
フランチェスカの現実に対する倦怠感
ロバートとは一緒に踏み出せないとらわれ感
といったものを、涼風フランチェスか本人だけでなく、子役の石川マイケル、島田キャロライン、隣からフランチェスカを監視する伊東マージの演技や演出でもよく出ていたと思う。
たぶん、観る人によっては、結ばれないからこそ美しい愛の物語になるだろうと思う。
特にロバートはフランチェスカと別れた後、死ぬまでずっと思い続けるのは女性目線でいえば、素敵すぎる設定だ。
ただ、どうしても現実目線が忘れられない私は、ロバートが「親兄弟と音信普通」といっていた事が気になる。
離婚歴もあり、なんとなく自分と合わない人間を遠ざけそうなのだ。
仮にフランチェスカと一緒に暮らしたとして。
フランチェスカが、自分が捨てた子供や夫の事を思って後悔し続けるのを、ロバートは一生受け止められるんだろうか?
舞台版の場合、山口ロバートと涼風フランチェスカのビジュアルが非常に美しく、
特に人間の役で、こんな現実的な恋愛をする山口祐一郎さんをみるのは初めてで、
もう見ている方が照れた。。
これで、もしストーリーに共感してしまったら、現実世界に大きく影響してしまいそうなので、このくらいの温度感の方が自分には合っているのかもしれない。
難解。でも美しい旋律の音楽
マディソン郡の橋の音楽も、うっかり共感したくなるような気持ちにストップをかけるような難解なメロディーに感じた。
自分はどちらかというと、わかりやすい気持ちをのせてくれる音楽が好きなので、マディソン郡の橋の音楽が自分の好みかといえば、そうではない。
でも、難解なんだけれど美しさはわかる。
山口さんも涼風さんも、もともと歌が上手な方だが、お2人の声がとにかく美しく響く。
「マディソン郡の橋」感想③ メロディーとハーモニーの構造が独特で大胆。美しくて耳障りはいいけれど凝ってるし音楽的にかなり高度だ。変拍子も多いのでジェイソンはプログレマニアかも(笑)?加賀谷 一肇くんの振付もセクシーで切れ味抜群。大人の愛の行方に一喜一憂させられるドキドキの魅力満載。
— 石井一孝&STAFF (@Ishii_Kazutaka) 2018年3月9日
観劇された、石井一孝さんのこのツイートが、腑に落ちた。
マディソン群の橋は、山口祐一郎さんの歌を聴くためにチケットをとったので、素晴らしい歌が堪能できてよかったと思う。