7/13(金)に行われた、劇団四季「ノートルダムの鐘」のトークイベントに参加しました。
お題は、『ノートルダムの鐘』を彩る音楽について PART2。
リハーサル見学会やバックステージツアーへの参加経験はありますが、トークイベントへの参加は初めて。ノートルダムの鐘で使われる楽曲について、何か詳しく聞けるのかな~と軽い気持ちだったのですが、忘れられないとても素敵なイベントとなりました。
[box class="box30" title="イベント内容"]
□対象公演
7月13日(金) 13時30分公演
<テーマ : 『ノートルダムの鐘』を彩る音楽について PART2>
【所要時間】終演後30分
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□参加資格
【会員限定】会員1名様+お連れのお客様(人数制限なし)
□参加方法
開場中または休憩中に「四季の会」会員証と参加人数分の当日チケットを劇場イベント受付まで持っていく。
トークイベントは終演後です。
受付を先に済ませおくので、開演前に劇場入口に並びました。
トークイベント『ノートルダムの鐘』を彩る音楽について PART2
トークイベント受付で「Olim(オーリム)」の歌詞カードを渡される
トークイベント参加者に、受付票と一緒に渡されたのが、Olim(オーリム)の歌詞カードでした。
Olim(オーリム)は、作品冒頭、鐘の音が鳴り響いた後に続く、最初の曲。
ラテン語で歌われる神秘的で荘厳な歌で、「ここからノートルダムが始まる・・・」と、思わず居住まいをただす、この作品好きの私にとっては、尊い曲です。
そんな尊い歌詞のカードなので心拍数がおかしくなっちゃいそう。何が起こるのか!?お客さんが歌う?よくわからないけれど、Olim(オーリム)に関する話をイベントでは話してくれるのかも、とずっとドキドキしていました。
※Olimの歌詞カードは撮影、転載不可です。
トプシーの曲と同時に阿部クロパン登場
この日の観劇を終え、一度退場したあと、再びホールへ。舞台下手側にキーボードが置いてありました。そしてトプシーの曲と一緒に鮮やかなピンクのシャツ(私服)をきた阿部さんのクロパンが登場!
会場が歓声を沸きます。
阿部さんが司会進行で、「今日はクワイヤさんの登場です」からの・・・・
クワイヤさんたちのout there
高井治さん 和田ひできさん、 山下泰明さん 永井崇多宏さんが出てきて、out there(陽ざしの中へ)を熱唱!!!
皆さんでout there を歌い始めた時、何が起こったのがさっぱり理解できず、目の前でとんでもない事が起こっていることに、ただただ動揺していました。
あのオペラ座の怪人でファントム役を演じている高井治さんが、カジモドの曲を歌っている!?
後で司会の阿部さんもおっしゃっていましたが、ノートルダムの鐘でクワイヤ役の皆さんは、他の舞台では主役級の人たちばかりで、歌ウマお化けさんばかりたち。
重厚感のあるout thereにびっくりしすぎて、記憶が飛びましたw
ただ、高井治さんが、とてつもなく美しい低音ボイスでいらっしゃることがわかりました。はぁぁ、これがファントムの声。美しすぎます。。。
ちなみにノートルダムの鐘では次のような役割なんだそうです。
[memo title="MEMO"]
テナー1 永井崇多宏さん
バス1 高井治さん
テナー2 山下泰明さん
バス2 和田ひできさん
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皆さん、こんな美声を控えめにしてクワイヤの1メンバーとして後ろに立ち続ける・・・ ノートルダムの鐘、豪華すぎる。皆さん凄すぎる。
私だけでなく、会場中のお客さんも豪華メンバーによるout there が聞けるとは思わず、狼狽していたように思えるのですが、この日の企画は、阿部さんが候補に挙げてくださったそう。
プリンシパル級の人がそろっているクワイヤさんなのに、ノートルダムの鐘では皆さんソロがないからって。阿部さん企画してくださって本当にありがとうございます。
クワイヤさんたちへの質問タイム
質問を事前にピックアップされていて、阿部さんがクワイヤさんたちに質問
高井さん:「好きな曲は何か?」ーどの曲も素晴らしいが、しずかでしっとりしているSomeday(いつか)。
なぜなら、作品の終わりに近いから(会場爆笑)。そろそろ帰れるから、とかじゃなくて、緊張が溶けてきて良い芝居をして終わるな、、、という事らしいです(笑)
山下さん:「(正確に質問内容を覚えていないのですが、恐らく難しいことは?という質問)」ー指揮者が見えないので、歌いだしのタイミングを合わせるのが難しい。周りを探りながらだとテンポが遅れるので、自分でエイヤって思い切って出した方が良い
永井さん:「歌唱が難しい曲は?」ーヘルファイアー。フレーズが長い。同じパートを2人でやっていて、同時にブレスをしないように気を付ける。相手の様子を見ながら歌うので緊張し、歌うにつれてだんだん身体が硬くなる。肩凝りになりやすい。
和田さん:「(質問を忘れました)」-私は落語家もやっていて、「○○○いくら」という名前ももらっているんですよ。
1つ、なぞかけをしましょう。
”ミュージカルとかけまして、日本と解きます”
→ここで、阿部さんが「その心は」と突っ込まないといけないところだったのですが、阿部さん、素でなぞかけの答えを考えていましたw
和田さん:その心は、どちらも四季が素晴らしいでしょう
会場中拍手で湧きました。
Olim(オーリム)を合唱
この日のトークイベントは2部構成で、クワイヤさんたちが1部。2部が、受付時に渡されたOlim(オーリム)の歌詞カードを元にみんなで歌おうという企画でした。
歌の先生は、クワイヤ役の永井崇多宏さんです。
メロディ―と伴に歌っていくのですが、
- 歌えるようになると、皆さんつい感情を入れちゃうけれど、この曲は歌っちゃうのは許されない
- Olimは最初、無機質に歌う。祈りの曲だから
という事でした。そういえば、美しくフラットに歌声が重なる曲だよな~と思いだしました。歌えると嬉しくなって、つい感情入っちゃうんですよね。
感情をためたまま歌い、「あーあーあーー」からは、今までため込んでいたものを一気に解放する!!との事でした。
確かに、ここの音圧は舞台でもすごくて、音が目の前に飛び出してくるような圧を感じます。
そして、ほんとうに今まで気づかなかったんですけれど、オーリムって輪唱になっているんですよねー。
オーリムーー
オーリムーーー
と最初の旋律をおっかけていく感じで、最後が合うようになっていました。
永井さん指導の元、お客さんみんなで練習し、時間も無くなったので最後、みんなで合わせましょうとなった時、
司会の阿部さんが、「では、みんなと一緒にOlimを歌いましょう」と。
そしたら、終演後のキャストさん全員が、わーっと出てきました。。。
こちらもクワイヤさんのout there と同じく、一瞬何が起こったのかわからないほど、動揺しました。
だって、終演後で疲れているキャストさんたち全員・・・全員なんです。
疲れているはずなのに・・・
この日は金曜日で、明日は2公演の土曜日なのに・・・
今思い出しても有り難くて泣けるなぁ
舞台にはプリンシパルさんたちが、それ以外のキャストさんは、客席に降りて下さり、近くにキャストさんが立たれた状態で、全員でOlimを熱唱!!!
いつも舞台で観ているだけでもすごく感動するのに、自分も歌えて、しかも本物のキャストさんたちと歌えるなんて。
本当に本当に、一生心に残る経験をさせてもらいました。
そして後日知ったのですが、この日は、劇団四季を立ち上げた浅利慶太先生がお亡くなりになった日。
私は、劇団四季の会員になってまだ1年も満たず、浅利先生の事もよくは存じ上げないのですが、こんなに他人に与え続ける素晴らしい劇団を作られた浅利先生に心から感謝します。ご冥福をお祈りします。
7月ラスト3回は、飯田達郎さんカジモドx川口竜也フロロー
7/11マチネ
7/13マチネ
7/27マチネ
と、偶然、飯田達郎さんカジモドx川口竜也フロローが続きました。
もう、川口フロローの狂気がすさまじくて。。。
哀れさも増していて、もっと若者らしい楽しい青春時代を味わっていたら、こんな事にならなかったんじゃないか、と思えてなりません。
7/27のさとけいさんジェアンが、教会の人たちを「あいつら」と吐き捨てるように言っていたことから、
弟のジェアンが「あいつら」と反抗するくらいだから、デュパン神父はじめ、聖職者たちはとても厳しく、兄のクロードも弟のジェアンも決して楽しい生活ではなかった気がします。
でも兄のクロード・フロローは「あの方たちは、安心と安全を下さる」と弟を諭す。兄は弟を守らなきゃいけなかったし、自分の快楽への欲求を無理やり封じ込めることで、生きてきたんじゃないかなーと。
だから、エスメラルダに惹かれる自分なんて認められなかったし、そうさせているエスメラルダが憎くて憎くて仕方なかったように思えます。
カジモドへは厳しいけれど、愛情があって(川口さんも、最初よりカジモドへの愛情をみせるようになった)、たつカジのおでこにはりついた髪を優しくなでたり、すごく可愛がっていました。
川口フロローは、ヘルファイアーが地獄の分岐点で、もはや人間ではなく悪魔がフロローにのりうつってしまったかのように思えます。
川口フロローだと、エスメラルダがひたすら可哀想。なんでこんな目に合わないのか、納得できないだろうし、ほんとうに理不尽です。
エスメラルダに火をつけながら、ニタニタずっと笑って、閉じられた大聖堂の扉をあけろ~といいながら、塚田フレデリックを突き飛ばすし、
それでいながら、カジモドに接する時、妙に優しく話しかけたり、何が導火線になるかわからなくて不気味。(ほめています...!)
川口フロローが子供~青年時代に、与えられる愛情を知って、自分の欲望もちゃんと吐き出せるところがあったら、こんな事にならなかったんじゃないか、と思えるんです。。
川口フロローも可愛そうだし、巻き込まれたエスメラルダもカジモドも可愛そう。
7/27の公演で、最後に大聖堂に上ってきたフロローがカジモドに「(エスメラルダは)死んだのか?」というセリフ、
まるでそうであってほしいと待ち構えているように言っていて、ゾッとしました。
どのフロローも哀れだけれど、私の中で悲惨度では川口フロローが一番かな。。終演後、引きずることが時々あります。
そういえば、7/27は久しぶりの光田フィーバス。タンバリンのリズムで、エスメラルダから受け取ったタンバリンを手に、しかめっつらのフロローと何か会話していたけれど、何を話していたんだろう。気になります(笑)
飯田さんカジモド
7/11 この日はいつもにも増して天使のように優しく可愛いカジモドでした。
達郎さんカジモドは無邪気で子供らしさが強く出ている分、大聖堂にこもって外の世界を知らない方が幸せだったんじゃないか、と思える事が多いのだけれど、この日は、エスメラルダに出会いカジモドの優しさを愛情に昇華させ、思い切って外の世界に出てよかったねと思えました。
この日の陽ざしの中へは、すごく外に行きたいという想いが強くて、力強い光に満ちていて、カジモドの世界がぱーあっと変わった、と目で見てもわかるような感じ。
最後の「ひざし~のな~か~へ~」って伸ばしながら、声が太くなっていくってどんだけ声帯が強いんでしょう。素晴らしかったです。
7/27は、エスメラルダが大聖堂に上ってくるシーンで「隠れなきゃ」「みつかっちゃう」と言いながら、ガーゴイルたちに「シーっ」って指を口元にたてているシーンがとても可愛かったです。
そういえば、トークイベントの日(7/13)は、初めて上手のサイド席(M2F)だったのですが、鐘が出たり格納されていく様子が良くみえて、とても美しかったです。
7月の観劇も終わり、横浜ラストの8月。残り少なくて悲しい~
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