9日ぶりの劇団四季「ノートルダムの鐘」。
今日は5回めとなる金本泰潤さんこと、たいじゅんカジモドに放心。。。
たいじゅんカジモドは、初見からすごく良くて、歌もお芝居も大好きなカジモドでした。安定感があり、ピュアで優しい青年に育ったカジモドの一貫性のある演技が素敵で。
今までも大好きでしたが、今日はまたなんだか違う。
プロの俳優さんに対して、素人の私がこんな言葉を使うのは失礼にあたるかもしれませんが、進化されたという表現が一番あっているのかな。まだ興奮が冷めません(つД`)
ノートルダムの鐘2018年6月7日マチネキャスト
カジモド:金本泰潤
フロロー:川口竜也
エスメラルダ:宮田 愛
フィーバス:佐久間 仁
クロパン:阿部よしつぐ
[memo title="MEMO"]
横浜公演ノートルダムの鐘10回め
金本泰潤カジモドx5回め
川口竜也フロローx2回め[/memo]
ネタバレあります。
たいじゅんカジモドの、今までとは違うと思った点
陽ざしの中への歌い方
「一度でいいから ここを抜け出し 陽射しの中へ」
抜け出しの「ぬ」が、今まで聞いた中で一番力強かった。大聖堂に閉じこもっていたカジモドが、外の世界へ行こうという、一歩踏み出す大きな決意が込められた音に聴こえました。
「んぉあ!」
- 「世界の頂上で」で、エスメラルダに触れられたとき
- エスメラルダと一緒にいる所に、フロローが来てしまったとき
びっくりしたカジモドが思わず「んぉあ!」と出てしまった、という一声で、今までこんな風にカジモドが声を出した記憶がなく(私が記憶していないだけかもしれませんが)、演技ではなく、カジモドとしてとっさに出ちゃった反応という気がしました。
他に、フィーバスを匿ってとお願いするエスメラルダに、ほっぺチューされる時。オフマイクで「お...」というカジモドの声も聞こえました。いちいちカジモドの反応をしているのが可愛すぎます(つД`)
石になろう
カジモドの想像上の友達、石像たちに「一人にしてくれよ」と歌う箇所。
頭の中から石像を追い出そうと目をつむったまま、自分の頭を両手で叩き、ぱっと目を開けた瞬間、周りの石像たちが本当にいなくなっていた、という切り替わりがとても印象的でした。
今までこのシーンで、自ら友達の石像たちを頭の中から追い出した、とここまでわかりやすく感じたのは初めて。
母親の声が聞こえている・・・フィナーレ
今日一泣いたシーン。
フィナーレで、フロリカの美しいソプラノが響き渡るシーンで、たいじゅんカジモド、両手を耳の近くにあてながら、あ、あ、あ、、、、、と嗚咽を始めました。
これ、お母さんの声が聞こえているんだよね?
泣けました。。。
たいじゅんさんカジモド、今までも演技で不自然なところはなく、違和感なく観ていたのですが、今日は本当にカジモドと一体化されていて、こちらが色々と想像できちゃう余韻のあるカジモドで本当に素敵でした。
あと、「世界の頂上で」でエスメラルダの名前を呼ぶシーン。
今までは、「エスメラルダっ」と勢いよく名前を呼んでいたと思うのですが、
今日は「エスメっ」までは勢いよく言い、続いて
↓
「ラルダぁ」と小声になるのが、突然自信を失っちゃったという感じで可愛かったです。
そして、これは毎回だけれど、フィナーレでエスメラルダのことを心から大切そうに扱っているのが好き。
今日も、エスメラルダの乱れたスカートを丁寧に治してあげていて、カジモドの愛情がひしひしと伝わりました。。。
墨を落すシーンは、初期の頃は、もぞもぞ動いていて、「今、頑張って墨を落しているな・・・」とばれちゃっていたけれど、今日は、墨を落す動作が号泣するカジモドの震える背中にしか見えず、とても自然。
初期のころから素晴らしかった金本泰潤さんがどんどん高みに行かれているようで、観劇後、数時間経つ今も放心状態です。。。
宮田さんエスメラルダx佐久間さんフィーバス。前回より絶望感弱め
たいじゅんカジモドだけでなく、みんな良かったのですが、宮田さんのエスメラルダと佐久間さんのフィーバスも、いつも以上に演技というより役に入り込んでいるように思えました。
宮田さんエスメラルダ、「世界の頂上で」で、カジモドが足をぶらんとしたのを観て、「せかいのちょうっじょう」と、思わず強く「ちょうっじょう」言っていました。
これもたいじゅんカジモドと一緒で、思わずびっくりして出ちゃったという感じ。
そういえば、今更ですが、エスメラルダ登場シーンでスカーフを2つ出して踊るシーン。スカーフを取り出すとき、身体がばねのように勢いよくエビぞりになっていました。同じ人間の身体とは思えずすごい。
佐久間フィーバスは、戦争後、人生なんてどうだって良いといった喪失感が強く、エスメラルダに出会うことで少しずつ力強さを取り戻していく。
フロローにエスメラルダを捕らえるように命令され、それに従ってエスメラルダを探しはじめた時、視線を下に向けたまま「エスメラルダ~」と歌っているのが、命令に納得がいっていない、という感情がありありと出ていました。
9日前に観た宮田さんエスメラルダと佐久間フィーバスの歌うSomedayは、絶望感しかなかったんだけれど、今日はまた違っていました。
今日は、特に宮田さんエスメラルダが凛としていて、自分たちの境遇は辛いけれど、いつか来る明るい未来を信じたいという力強いSomedayに感じました。
川口フロローはやっぱり怖い。
2回めの川口フロロー。舞台にいるだけで威圧感があり、すごい存在感。
優しい時と怖い時の落差が、相変わらず激しい。。
登場シーンは大助祭という地位に相応しい厳格なふるまい。しかし弟のジェアンの隣で「クロードは優しい兄さん~」と歌うときは、声色が柔らかくなり別人のよう。
ジェアンからカジモドを託された際、おくるみ状態のカジモドをいつくしむように大切に撫でて、自分が育てようと決意するのに、「私のように~」と宣言したとたん、冷徹な表情になる。
川口フロローはカジモドに愛情はあるんだろうけれど、自分に思い通りにならないと暴力も辞さないところがあって、1回めの観劇時同様、人の愛し方(女性だけでなく人全体に対する愛)を知らないフロローと思えます。
カジモドをバシバシ叩くシーンとか、本当に怖い。
エスメラルダが現れたから変わったのではなく、もともとかなり支配的。
特に最初の方、大聖堂で、友達の石たちとしゃべっていたと話すカジモドを最後まで言わせず「石が話すのか?」とかぶせるように言うのは、川口フロローの独善的な性格が現れているような気がします。(あくまで、フロローという役柄について、です)
最後、横たわるエスメラルダとカジモドのところにやってくる時、川口フロローは階段を上っているのではなく、よろよろ這って出てきたように見えました。
支配できる相手に強く見せないと生きてこれなかった、一番弱い人物にもみえて哀れにも感じます。
この作品は、カジモドの最後の結末に救いがないように思えて(なぜか達郎さんカジモドの時に多い感情)、ひきずられるような気持ちで帰ることもあるのですが、今日は救いがなかったのは川口フロローだけにも思えました。
ある意味、すごく人間味があって舞台にいると目が離せないフロローです。
ひとつ個人的に気になっているのが、川口さんの「ヘルファイヤー」
1回めも感じたのですが、抑え気味に歌っているように思えます。
川口さんの実力なら、もっと低音をとどろかせたり、心情を込めてもっともっと熱く歌えるような気がしますが、どうも抑えているように感じてしまう。
これは、もしかしたら感情が先走らないようにあえて抑えているのかな?とも思えるのですが、どうなんだろう。
川口さん、歌も声も素晴らしいので、文字通り地獄の炎になるような川口フロローのヘルファイヤーが聴いてみたいです。
阿部クロパンのバーン
阿部クロパンが足をバーンと強く打つと、床が波打っているように見えます。とりあえず阿部クロパン最高。
大空卓鵬さん
ずっと書きたいと思っていた3枠の大空さん。とにかくアクロバティック!
ラポンテでのダンスも圧巻だし、トプシー・ターヴィーでの逆立ち、カジモドに投げ飛ばされるシーンの姿勢の美しさなど、本当にお見事。
中国出身で民族ダンスをやられていたとのこと。特にラポンテのシーンは、毎回ほれぼれします。
あぁぁ、観劇の感動の勢いのままに書いてしまった。
今日も本当に良かった。
特にたいじゅんカジモド、、今日のカジモドを記憶から消し去りたくない。でも早くまた観たい。です。
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