今年初観劇は、シアターオーブのニューイヤー・ミュージカル・コンサート!
観劇予定はなかったけれど、ノートルダムの鐘オリジナルキャストでカジモド役を演じられたマイケル・アーデンさんが来日すると聞き、即効チケットをとった。
ニューイヤーコンサートでは、out there(僕の願い)を歌ってくれ、....感無量。
out thereの感想はあとから書くとして、コンサートがとにかく素晴らしく、温かみのある雰囲気で素敵な2時間だった。
ニューイヤー・ミュージカル・コンサート2018の全体的なこと
出演者
写真左から
マイケル・アーデン
ジュヌヴィエーヴ・レクラーク
ローラ・ミシェル・ケリー
ロベール・マリアン
アンディ・ミエンタス
舞台の配置について
舞台の上手にオーケストラ
下手に階段を使ったセット
必然的に、下手側にキャストが立つことが多いので、客席も下手(左側)の方が良さそうと思った。たまたま自分は下手側だったのでラッキーだった。
溝渕俊介さんの司会がすごく良かった
司会進行役・溝渕俊介さんの、キャストとの会話のテンポや丁寧なやりとりが感じ良く、コンサートが一層素晴らしいものになった気がする。
コンサートの最中、何度かキャストさんに英語で質問して、返答を日本語で訳してくれるのだが、
1度、ジュヌヴィエーヴ・レクラークさんからの返事を訳している間に、会話を忘れちゃった...という事態がw
でも、ジュヌヴィエーヴが「どこのパート?もう一回言うわよ」とフォローしてくれ、無事日本語訳が完了。ジュヌヴィエーヴの人柄も伝わったし、真摯な溝渕さんの好感度もむしろアップしたほどだった。
溝渕俊介さんのブログ
https://ameblo.jp/mizo-blog/entry-12342233715.html?timestamp=1515206331
セットリスト
キャスト全員で歌う、レントのシーズンズ・オブ・ラブの圧が凄かった。
レミゼから3つも選曲されているのが豪華だが、バルジャンの独白をこういったコンサート形式でやるのは、かなりのミュージカル好きに向けた内容、という印象。
ニューイヤー・ミュージカル・コンサート キャスト感想
ローラ・ミシェル・ケリー、ロベール・マリアン→陽気なパフォーマー
ジュヌヴィエーヴ・レクラーク、マイケル・アーデン、アンディ・ミエンタス、→シャイな人たち
なんとなく、5人を2グループに分けてみた↑特に意味はない。
ロベール・マリアン
歌うまのレベルが異次元で、4starsで観たシンシア・エリヴォさんを思いだした。
特に好き~!となったのが、ラマンチャの男、ザ・ミュージック・オブ・ザ・ナイト(オペラ座の怪人)、バルジャンの独白(レ・ミゼラブル)
ロベールはかなり低音で、ザ・ミュージック・オブ・ザ・ナイトの甘やかさの中に渋みが出て、まさに極上。
年末にラミン・カリムルーもザ・ミュージック・オブ・ザ・ナイトを歌ってくれたし、こんな短期間で、この名曲を世界的な歌手が歌うのを聞けて、これを幸福といわずになんといおう...
バルジャンの独白は、フランス語で。
ロベール・マリアンさんはもともとカナダ出身なので、英語、フランス語両方いけるみたい。
バルジャンもアメリカのブロードウェイ、イギリスウエストエンド、フランスで25年演じられていたそうで、すごいパワーに歌声!ほとんどの観客が息をとめて、バルジャンの独白を聴いていたと思う。
出演者の中で、最も年長者(62か63歳くらい?)ながら、最も迫力のある方だった。
日本では7、8回舞台出演されているとのこと。
フランス版、ノートルダム・ド・パリのフロロー役も来日公演で演じられたそう。
低音ボイスは、ディズニー版のフロローも絶対に合いそう。いつかロベールのhellfireを聴いてみたい。
ちなみにロベールは、歌だけでなく5名のリーダー的な役割もしていたように見えた。
舞台に上がったときの、つかみや場をもたせるなど安定感があり、ロベールがいればなんとかなる、といった安心感があった。
ローラ・ミシェル・ケリー
メリー・ポピンズで主人公メリー・ポピンズ
ファインディング・ネバーランドのヒロイン
王様と私の全米ツアーの主人公アンナ
他、美女と野獣、レ・ミゼラブル、マンマ・ミーア!、屋根の上のバイオリン弾きなど早々たる作品に出演している方。
ローラも、どんな作品でも余裕で歌えてしまうような歌のうまさ。
声がスコーンと伸びて、特にアナ雪のレットイットゴーはド迫力だった。
「陽」のオーラというかパワーがあって、舞台にたつとぱっと光があつまるみたい。
最後にキャストさんの持ち歌を歌うコーナーがあって、自分の曲を紹介する時、「あら、曲名忘れちゃったw」(王様と私の「シャルウィーダンス」を言いたかった)なんて天然なところも。
めちゃくちゃキュートな笑顔で観客を癒す、歌姫さんだった。
ジュヌヴィエーヴ・レクラーク
カナダ出身の方で、トークはフランス語。ロベール・マリアンから歌唱指導を20年受けているのだそう!
ロベールは「ジュヌヴィエーヴはメロディーを忘れる(といったニュアンス)ことがある...」などとからかっていたが、ロベールとジュヌヴィエーヴの2人で歌った美女と野獣は、しっとり大人な雰囲気が素敵だった。
2011年から2013年の「レ・ミゼラブル 25周年記念北米ツアー」のファンテーヌ役に抜擢された方で、ご本人の雰囲気もたおやかで、ものすごくファンテーヌ!という方。
昨年、レミゼを観劇したとき、ファンテーヌの「夢破れて」が、役者さんによってはどうも自分にはなじめない部分があり、それは、この歌を力強い怒りを表現しながら歌うと、ファンテーヌの薄倖さが薄れるように感じたからだと思っていた。
しかし、今日のジュヌヴィエーヴの「夢破れて」も、怒りがかなり強く込められていたのに、ファンテーヌの幸薄さや儚さといった雰囲気は損なわれていなかったから、もしかしたらこの曲は私が思っている以上に難しいのかもしれない。
いずれにしても、素晴らしいファンテーヌだった。
アンディ・ミエンタス
甘いマスクのイケメンさん。2014年にリバイバル上演されたレ・ミゼラブルでマリウス役を演じていた方。
マリウスが歌うレミゼのカフェソングも良かったし、マイケルとのデュエット「春のめざめ/レフトビハインド」もすごく良かった。パートナーだからかな?息もぴったり。
マイケル・アーデン
この方のカジモドを観るために今回のチケットをとった。
繰り返しCDを聴いて、you tubeで動画を観ていた、あのカジモドが舞台にいた。
最近、ミュージカルは舞台で初めて曲を聴く→良かったらその後買うという流れが多かったので、昔、擦り切れるほどテープやCDを聴き、コンサートに行ってようやく大好きな歌手の生歌を聴けたときの感動を思いだした。
聴きたくてたまらなかったカジモドに出会えた感動と、
マイケルカジモドは今が一生に一度のチャンスという緊張感で
舞台にいるカジモドから何を吸収すればよいのかわからず、結果、ほとんど記憶が飛んでしまっているというw
out thereを歌う直前、背をかがめてカジモドになったこと
声やセリフが、何度も聞いているあのカジモドだったこと
まるで光(理想の世界)を探すように一瞬、上をみつめたこと
はける時もカジモドだったこと
と、覚えているのは断片的。。。
今日のカジモドをガラスの瓶につめて、毎日観ていたい。
感動と緊張で、歌い終わったあと、すぐに拍手できなかったけれど、初めて客席から「ブラボー」の声が出て、我に返った。
最後、はける時もカジモドになって、身長が半分くらいになったから、カジモドってあらためて大変な役なんだなと思えた。
どうでもいい告白だが、カジモドが好きだしカジモドを演じる役者さんもみんな好きだ・・・
マイケルは、今回初めて知ったのだが、今は演出家として活躍しているのだそう。
今回、人前で歌うのは4年ぶりと言っていた。
アスペクツ・オブ・ラブではラブ・チェンジズ・エヴリシングをとても柔らかい声で歌い、メリーポピンズのチム・チム・チェリーではまた全く違う声を出したりと、素晴らしい歌い手なのでぜひミュージカル俳優としても活躍していってほしいところだが、演出家としての力も相当みたいなので、両立は難しいのかなぁ
挨拶では、劇場(シアターオーブ)がショッピングセンターにあるので、買い物しすぎたといって、靴を見せてくれた。
シアターオーブでのニューイヤーコンサート限定でいいから、毎年きてカジモド歌って欲しい。。
これは、アンコール用のサイリウムで入場の時に渡されたもの。
張り切って使う予定が、割り方がわからず、光らせることができなくて無念....
今回は、マイケルのカジモド目当てで行ったが、ご本人は期待以上に良かったし、他の出演者さんもコンサート全体の温かみのある雰囲気もとても良かった。
新年早々、とても満足。
今年も、世界中の役者さん、関係者さん、そして観劇する皆さんにたくさんの幸せが降り注ぎますように。