昨日見た、今回2回目のダンスオブヴァンパイア。(2015年11月13日マチネ)
学生の団体さんが入っていた公演だったのですが、幕間の休憩の際に「話についていけない」という学生さんの声が聞こえました。
ダンスオブヴァンパイアに限らず、ミュージカルって前知識がないと1回見ただけでは分からない事が多いですよね。
という事で、
- 1回ダンスオブヴァンパイアを見たけれど、ストーリーが良く分からなかった
- 知識をざっくりと入れてから公演を見たい
といった方向けに、今回はあらすじを書いてみました!
ネタバレを含むので、前もって内容を知りたくない方はスルーしてくださいね。
ちなみに「ダンスオブヴァンパイア」の原作は、ロマン・ポランスキーの映画です↓
ダンスオブヴァンパイアのあらすじ
吸血鬼の研究者である教授と助手が、姿を消した娘を救うために吸血鬼退治に向かう、コメディ・ダンスミュージカル。ドタバタ劇でありながら深淵なテーマを含み哲学的な部分もあるミュージカルです。
1幕
吸血鬼の存在を隠す村の人々
ヴァンパイアの故郷として知られる極寒のトランシルバニアにやってきた、吸血鬼を研究しているプロフェッサーことアブロンシウス教授と助手のアルフレート。
雪の中で気絶してカチカチに凍ったプロフェッサーを抱えてアルフレートがやってきた宿屋では、主人のシャガールをはじめ全員がニンニクのネックレスを首からぶら下げている。
ニンニクをぶら下げているのは、吸血鬼の城が近くにあるからではないか?と教授が聞くと「城どころか風車もここにはない」と、とぼけるシャガールと村人たち。
怪しみつつもシャガールの所で宿泊する二人。
演奏されている曲
オーヴァーチュア(Ouverture)
プロローグ(Prolog)
ニンニク(Knoblauch)
サラとアルフレートの出会い
プロフェッサーとアルフレートが案内された部屋の隣はお風呂。シャガールがお風呂を2人に案内しようとドアを開けると、そこには入浴中の娘のサラがいた。サラの裸を見て驚くアルフレート。
娘に悪い虫がつく事を心配した父親のシャガールは、サラがお風呂に入れないように、お風呂とサラの部屋の間のドアを打ち付けてしまう。好奇心旺盛なサラだが父親は出来るだけサラを自分の手元に置いておきたい。
初対面で惹かれ合ったサラとアルフレート。お互いを思いながら夜を過ごす。
シャガールは妻のレベッカと寝ていたベッドを抜け出し、使用人のマグダの部屋へ忍び込む。しかし途中転んでしまい、音を聞きつけたプロフェッサーが、何が起こったのかと調べ始める。
シャガールの妻レベッカは夫がいなくなった事に気づき、懲らしめる為こん棒で頭を殴るが、暗闇だったのでシャガールではなく誤ってプロフェッサーを殴ってしまう。
演奏されている曲
きれいな娘を持ったら(Eine schöne Tochter ist ein Segen)
初めてだから(Ein Mädchen, das so lächeln kann )
闇が訪れクロロック伯爵が姿を現す
恋に目覚めたサラの元へヴァンパイアのクロロック伯爵が現れる。
月の色が赤に染まり、雰囲気が一変。
ひとこと 私が呼べば
誘惑にかられ 抜け出すだろう
永遠の命を さあ 与えよう
私の影に包まれて
生きるために死ぬのだ
とサラに呼びかける伯爵
クロロック伯爵の呼びかけに気づくサラ
演奏されている曲
神は死んだ(Sei bereit【gott ist tot】)
せむし男クコールの存在が気になるプロフェッサー
気持ちの良い朝、元気に仕事をする宿屋の主人シャガールと妻のレベッカ、使用人のマグダ。
そこへクロロック伯爵に仕えるせむし男のクコールがろうそくをもらいに訪れる。
「ろうそくは我が家の分も十分ではない」と一度は断ろうとするシャガールだが、クコールの迫力に押されて2束ほどろうそくを渡す。
起きてきたプロフェッサーが、蝋燭を抱えて帰っていくクコールを見て「あの紳士はどなたか?」とシャガールに聞くが、答えは得られない。
クコールの存在を隠すシャガールたちに、なぜ事実を隠すのか?人類のため、文明のため、あらゆる事実を分析する!と宣言するプロフェッサー。
演奏されている曲
すべて順調~人類のために(Alles ist hell)
伯爵に誘惑され、自由な外の世界にあこがれるサラ
宿のお風呂に入ろうとしたアルフレートの元へサラがこっそりとやってくる。「気持ちいい事をしたいの」とアルフレートに期待だけさせて、自分一人でお風呂に入るサラ。
入浴中のサラの元にこうもり姿のクロロック伯爵が突如現れ、お城で開かれる舞踏会へ招待する。「この村でくすぶって、その身体はすぐに歳を取る」「お前の自由を奪うために人はいつでも欺くが私は違う」「今こそ飛び立て」とサラを誘惑する。
伯爵の気配を感じアルフレートがプロフェッサーを起こすが、風呂に飛び込んだ時は伯爵はすでに去った後だった。その後、シャガール、レベッカがやってきて、伯爵が娘のサラに近づいてきている事に危機感をもったシャガールはサラを閉じ込めようとする。
夜中、伯爵に仕えているせむし男のクコールが包みをかかえてやってきて、窓から覗いていたサラに合図をして去っていく。
庭でサラへの思いをつのらせているアルフレートは包みを取りに来たサラと会う。「もっと外の世界が見たい、夜の森を歩きたい」というサラに「危ない、暗すぎる」と返すアルフレート。
一人で森に行こうとするサラを止めようとするが、「スポンジをとってきて」と言われ、アルフレートは部屋へ戻る。
サラがクコールからもらった包みを開けると、そこには赤いブーツが。
「伯爵様と踊れるのね!」と喜びブーツを履くサラ。
赤いブーツを履いたサラが踊りだし、サラの幻想シーンへ。「サラの化身」に入れ替わって、他のヴァンパイアたちと踊りだす。(化身役のダンサーが別にいます。)
ダンスが終わり本物のサラが現れた所で、スポンジをとってきたアルフレートがやってくるが
「スポンジはもういらないの」とサラは言い残し、お城へと走り去っていく。
演奏されている曲
あんたは素敵(Du bist wirklich sehr nett)
お前を招待しよう(Ich lad' dich ein )
外は自由(Draußen ist Freiheit)
娘を助けにいったシャガールがヴァンパイアに
伯爵に娘をさらわれ、娘を取り返しにいった父親のシャガールだが、逆にヴァンパイアに噛まれてしまう。死体となって戻ってきたシャガールの心臓に杭を打ち込もうとするプロフェッサーだが、シャガールの妻、レベッカに猛反発を受け退散。レベッカは夫と最後の別れをしたのち部屋を出ていく。
次に現れたのは、シャガールがちょっかいを出していた使用人の色っぽいマグダ。「生きている時はうんざりしたけれど、死んじゃうなんて。私はここよ、触っていいよ。」とシャガールの死を悲しむマグダ。
ところが死体となっていたシャガールが突然起き上がり、マグダに噛みつく。
マグダが死んでしまい、その原因は自分だと気づき驚くシャガール。足音を聞き、マグダを自分が寝かされていたテーブルに寝かせ、布をかける。
先ほど退散したプロフェッサーとアルフレートが再び現れる。
テーブルに寝かされている死体の心臓にむかって杭を打とうとするが、違和感を感じ布をどけると、シャガールではなくマグダが横たわっている。
二人は隠れていたシャガールを捕まえ、杭を打とうとするがヘタレのアルフレートには杭を打つ事が出来ず、退治する代わりにシャガールに伯爵の城へと案内させる。
演奏されている曲
ヴシャ ブシャ(Wuscha Buscha)
死んじゃうなんて(Tot zu sein )
クロロック伯爵とプロフェッサーの挨拶
クロロック伯爵の城へ訪れたプロフェッサーとアルフレート。出迎えた城の主であるクロロック伯爵と息子のヘルベルトに挨拶をする二人。
「こんな真夜中に突然すみません」というプロフェッサーに
「夜型なもので。昼間は何もできません。」と答える伯爵。
伯爵は自分の息子ヘルベルトに、プロフェッサーを城の中に案内するよう伝える。
プロフェッサーについていこうとするアルフレートに伯爵は、「老いぼれに頼るな」「奴は君の憧れ、ときめきなど理解できない」「私なら導いてやろう」とそそのかす。
演奏されている曲
ACT-1 フィナーレ(Finale 1 )
1幕終了
ここで休憩に入りますが、ダンスオブヴァンパイアでは、伯爵に使えているクコールが舞台に落ちた雪(紙吹雪)をうちわで掃除する「クコール劇場」を見る事ができます。
2幕
2幕からラストまで、次のページに続きます。