フランスの文豪、ヴィクトル・ユゴーが書いた「NOTRE-DAME DE PARIS(パリのノートルダム)」は、映画や舞台など何度もリメイクされています。
ここでは、次の3点を比較しまとめています。
- 原作
- アニメ映画(ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ/ウォルト・ディズニー・フィーチャー・アニメーション)
- 舞台(ディズニー・シアトリカル・プロダクションズ製作)
キャラクターの違い
原作 | 映画 | 舞台(ミュージカル) | |
---|---|---|---|
カジモド | ノートルダム大聖堂の前に捨てられていた醜い赤ん坊。大聖堂の助祭長、フロローに拾われ育てられる。フロローとは血縁関係なし。フロローとエスメラルダ以外には意地が悪い | ジプシーの息子。母をフロローに殺される。その罪をノートルダム大聖堂の司祭にとがめられたフロローに育てられる。フロローとは血縁関係なし。心優しい青年 | 母がジプシー。父のジェアンはフロローの弟。つまりカジモドはフロローの甥。両親は病気で亡くなり、フロローに引き取られる。心優しい青年 |
フロロー | ノートルダム大聖堂の助祭長 | 最高判事 | ノートルダム大聖堂の大助祭。カジモドの叔父 |
ジェアン | フロローの弟。自分に甘い人間でフロローに溺愛されている。カジモドとは血縁関係なし。大聖堂襲撃の際にカジモドに殺される | 登場しない | フロローの弟でカジモドの父親。自分に甘い人間でフロローに大切にされている。ストーリーの最初の方で病死 |
エスメラルダ | 幼い時にジプシーにさらわれた少女。美しいジプシーの踊り子となる。婚約者のいるフィーバスに惹かれる | 美しいジプシーの踊り子。フィーバスに惹かれる。カジモドには友情を抱く | 美しいジプシーの踊り子。フィーバスに惹かれる。カジモドには友情を抱く |
フィーバス(原作ではフェビュス) | 王室射手隊の隊長。美男子で婚約者がいる。エスメラルダを遊び相手と考えている不誠実な人間 | 護衛隊長。陽気な美男子。エスメラルダと惹かれあう。フロローに背きエスメラルダを救う。カジモドに対して差別なく接する | 大聖堂警備隊長。颯爽とした美男子。エスメラルダと惹かれあう。フロローに背きエスメラルダを救う。カジモドに対して差別なく接する |
クロパン | 悪党の巣窟「奇跡御殿」のリーダー | ジプシーの親分。「奇跡の法廷」のリーダー | ジプシーの親分。「奇跡御殿」のリーダー |
グランゴワール | 詩人。エスメラルダと仮の夫婦になる | 登場しない | 登場しない |
原作に出てくるグランゴワールは、映画版と舞台版には出てきません。
映画版では悪役のようにみえるフロローですが、原作と舞台版では悪役とは簡単に決めつけられない人物設定です。
フィーバスは、ディズニー版の映画と舞台では、好青年に描かれてますが、原作では不誠実な男に描かれています。
結末の違い
きねちゃん
ここからネタバレがあるので結末を知りたくない人は飛ばしてね!
原作 | 映画 | 舞台(ミュージカル) | |
---|---|---|---|
カジモド | フロローを殺す。数年後、エスメラルダとカジモドのものと思われる遺体が発見される | フロローから逃れ、エスメラルダ、フィーバスとは友達に。カジモドを恐れていた町の人と仲良くなる | フロローを殺す。数年後、エスメラルダとカジモドのものと思われる遺体が発見される |
フロロー | フィーバスを刺し、エスメラルダにその罪を着せて処刑。カジモドに大聖堂の塔から突き落とされて死ぬ | エスメラルダを襲おうとし、誤って自ら大聖堂から落ちて死ぬ | フィーバスを刺し、エスメラルダにその罪を着せて処刑。カジモドに大聖堂の塔から突き落とされて死ぬ |
エスメラルダ | フロローに処刑される | フロローから逃れフィーバスと恋人に。カジモドとは友達になる | フロローに処刑される |
フィーバス(原作ではフェビュス) | エスメラルダから去り婚約者と結婚する | エスメラルダと恋人に。カジモドとは友達になる | 命は助かるがその後は不明 |
映画と舞台の曲(ナンバー)の相違点
「ノートルダムの鐘」の、映画版にしかない曲、ミュージカル版にしかない曲、両方あるけれどもタイトルが違う曲など、異なる点があります。
表の見方
曲順は時系列
タイトルは「英語/邦題」
異なる点と片方にしかないものは太文字
タイトルは「英語/邦題」
異なる点と片方にしかないものは太文字
映画の曲 | ミュージカルの曲 | シーンと注釈 |
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※ | OLIM/いつか | ミュージカルの導入 ※映画版ではTHE BELLS OF NOTRE DAMEに一部入る |
THE BELLS OF NOTRE DAME/ノートルダムの鐘 | THE BELLS OF NOTRE DAME/ノートルダムの鐘 | 物語のはじめ |
OUT THERE/僕の願い | OUT THERE/陽射しの中へ | 大聖堂に暮らすカジモドが外の世界へ一歩踏み出そうと決意。曲は同じだが映画版とミュージカル版で日本語タイトルが異なる |
TOPSY TURVY/トプシー・ターヴィー | TOPSY TURVY/トプシー・ターヴィー | 一年に一度のお祭り騒ぎ。ジプシーのクロパン中心で歌われる。 |
なし | REST AND RECREATION/息抜き | フィーバス登場 |
なし | RHYTHM OF THE TAMBOURINE/タンバリンのリズム | エスメラルダ登場 |
なし | TOPSY TURVY PART2/トプシー・ターヴィーパート2 | 醜い王様を決めるコンテストでカジモドが王様になる |
HUMILIATION/フェスティバルでの出来事 | なし※ | カジモドが民衆から暴力を受ける ※ミュージカルでは、TOPSY TURVY PART2で一部メロディ―が流れる |
※ | INTO NOTRE DAME/ノートルダムへ | 民衆から暴行を受けたカジモドがすごすごとノートルダム大聖堂にもどる。※アニメ版では一部メロディ―が流れる |
GOD HELP THE OUTCASTS/ゴッド・ヘルプ | GOD HELP THE OUTCASTS/ゴッド・ヘルプ | エスメラルダが教会で、弱き者のために祈る |
THE BELL TOWER/ベル・タワーへようこそ | TOP OF THE WORLD/世界の頂上で | カジモドとエスメラルダが大聖堂で一緒に過ごすシーン。映画版は歌なし |
なし | HTAVERN SONG (THAI MOL PIYAS)/酒場の歌 | エスメラルダやクロパンといったジプシーが集う酒場のシーン。エスメラルダをみつけるフロローの姿もある |
HEAVEN’S LIGHT/天使が僕に | HEAVEN’S LIGHT/天国の光 | エスメラルダへの想いと「恋人」への憧れを歌うカジモド |
HELLFIRE/罪の炎 | HELLFIRE/地獄の炎 | フロローが抱くエスメラルダへの欲望 |
A GUY LIKE YOU/ガイ・ライク・ユー | なし | ガーゴイル3人がカジモドに「君は特別な男だから」とはげます陽気なナンバー |
PARIS BURNING/災い | ESMERALDA/エスメラルダ | トーリーの内容はほぼ同じだが、曲も歌詞も異なる。エスメラルダを捕らえるためパリを燃やそうとするフロロー、フロローの命令に背くフィーバス、フィーバスを助けるエスメラルダ、ミュージカルでは一幕ラストの壮大なナンバー。 |
なし | ENTR’ACTE/間奏曲 | 二幕最初のクワイヤによる合唱。物語を感じさせる壮大さと疾走感がある |
なし | FLIGHT INTO EGYPT/エジプトへの逃避 | カジモドがエスメラルダを救い出そうとカジモドが聖アフロディジアス、ガーゴイルたちと歌う曲。カジモドのエスメラルダへの想いがより深まる。 |
THE COURT OF MIRACLES/奇跡の法廷 | THE COURT OF MIRACLES/奇跡御殿 | エスメラルダ救出に向かったカジモドとフィーバスがクロパンたちジプシーの隠れ家でとらえられる。曲、歌詞が違う |
なし | IN A PLACE OF MIRACLES/奇跡もとめて | 隠れ家を後にするジプシーたち。エスメラルダとフィーバスはお互いの想いを確認し、カジモドは二人の姿をみて「自分は醜いから」と絶望する |
なし | IN A PLACE OF MIRACLES/正義のパリ | ノートルダムの鐘のリプライズ。捕らえられたエスメラルダが牢屋に投獄される |
※ | SOMEDAY/いつか | エスメラルダとフィーバスによる「いつか人々がもっと懸命になり、正義の夜明けがくる」と願う美しいメロディー。映画版では、エンドロールで使われている。 |
なし | MADE OF STONE/石になろう | エスメラルダ救出へ行くよう石像たちに促されるが、「醜い自分をみろ」「石になりたい」と悲痛な叫びをあげるカジモド |
SANCTUARY!/サンクチュアリ! | ※ | カジモドがエスメラルダを救出するシーン。ミュージカル版ではフィナーレの一部 |
AND HE SHALL SMITE THE WICKED/フロローの最期 | ※ | フロローの最期のシーン。ミュージカル版ではフィナーレの一部 |
INTO THE SUNLIGHT/輝きの中へ | なし | エスメラルダがカジモドの手をとって大聖堂の外へ連れ出す |
THE BELLS OF NOTRE DAME (REPRISE)/ノートルダムの鐘 リプライズ | なし | クロパンナレーションによる物語の締め |
なし | FINALE/フィナーレ | ミュージカル版の物語のラスト。エスメラルダ処刑~カジモドによる救出~エスメラルダとフロローの最期~天国へ昇っていくエスメラルダ~オールカンパニーによる大合唱 |
HEAVEN’S LIGHTとHELLFIREは、映画版では1曲として扱われています。
きねちゃん
原作もアニメもミュージカルも違う点が「ノートルダムの鐘」の面白いところ。深く知りたい方は、関連本を読んでみるのもおすすめですよ♪
ノートルダムの鐘の原作を知りたい!おすすめの本(小説)・漫画は?